上写真=大迫勇也は大分戦でJ復帰。逆転ゴールを導くポストプレーからのパスはさすがだった(写真◎J.LEAGUE)
「初めてのホームで楽しみです」
大迫勇也が日本のピッチに帰ってきた。8月25日のJ1第26節、大分トリニータとのアウェーゲーム。ヴィッセル神戸の背番号10がピッチで躍った。
「チームの雰囲気はつかめましたし、日本の暑さや試合の流れを体感できたのが大きかったです」
7年半をドイツで過ごし、23日に合流してから3日目というスピード感で、久々の日本の戦いで先発出場。得意のポストプレーがいきなり勝利に直結した。逆転ゴールになった前半終了間際のPKは、大迫が郷家友太からの縦パスを収めて前を向き、裏に抜けた武藤嘉紀へ浮き球の絶妙なラストパスを送ったところで、相手がハンドの反則を犯したとして得たものだった。相手が寄せてくるパワーを利用して背負いながら巧みに反転、顔を上げて優しいボールを送るところまで、大迫らしさがたっぷり詰まったプレー。最終的に試合は3-1となったが、早々に勝利に貢献してみせるあたり、やはり、役者が違う。
76分までピッチに立ってあとをドウグラスに託したが、コンディションを整えていく途上にあって「ヴィッセルデビュー」で長時間プレーできたことは大きいという。
「75分以上プレーできたのは自分にプラスで、もちろん次もスタートから出る準備はできています。チームを助けていきたいと思います」
26日にはカタール・ワールドカップアジア最終予選に臨む日本代表のメンバーにも選出され、忙しくなる。
「大分と試合をしたことでかなりコンディション上がってくると思うし、自分自身で楽しみなんです。しっかりしたものを毎試合出せるようにしていきたいと思います」
この「しっかりしたもの」という言葉は会見で何度も聞かれた。技術的にも体力的にも精神的にも、確実で、信頼に足るものであり、ドイツでの経験に裏打ちされた、そんなプレーを見せて勝利に貢献する意気込みだ。
夏の連戦で、28日には早くもFC東京とのホームゲームが待っている。大迫にとっては、新しい地元へのお披露目マッチになる。
「自分自身、初めてのホームで楽しみですし、まずは点を取りたいですし、チームが勝てるようなプレーをどんどん出していきたいと思います」
神戸の、日本のエースが誓うのは「何でもいいから点を取りたいですね」である。