上写真=三笘薫がヨーロッパへ。まずは最初の1シーズンにベルギーで鍛える(写真◎J.LEAGUE)
応援歌をスタジアムで聞けなかったのが心残り
川崎フロンターレのMF三笘薫が旅立ちのときを迎えた。8月10日、イングランド・プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton and Hove Albion FC)への完全移籍が両クラブから発表された。
ブライトンの公式サイトによると契約は4年で、今季はベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ(Royal Union Saint-Gilloise)にローン移籍してプレーする。ブライトンのテクニカルダイレクター、ダン・アシュワース氏は公式サイトに「薫と契約できてうれしい。彼がヨーロッパのサッカーや異なる環境に適応して成長するために、サンジロワーズでローンでプレーしてもらうことを決めた。新シーズンでどれだけ成長するか楽しみだ」と説明している。
三笘は川崎Fを通して、ファン・サポーターへメッセージを伝えている。
「このたびブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCに完全移籍することになりました。僕はU-10からフロンターレアカデミーで育ちました。フロンターレはサッカーだけではなく人として成長させてくれたクラブであり、さまざまな思いがありますが、プロサッカー選手として常に向上心とチャレンジの想いを持っているために今回の決断となりました。
大学を経由してプロの世界に入ることができましたが、僕のサッカーに関するほとんどがフロンターレで学んだことです。このクラブには感謝の思いしかありません。アカデミー時代、先輩たちの背中をずっと追いかけていました。Jリーグで活躍するだけでなく、海外のクラブで活躍する方たちもいます。僕も先輩たちに続いて世界の舞台で結果を出すことが、川崎フロンターレというクラブを世界に知ってもらえる、そしてクラブの発展につながると思います。またアカデミーの代表としてそういう姿を見せることが、アカデミーの後輩たちやこれからフロンターレに入りたいと思っている子どもたちに希望を与えられると思っています。
プロになって等々力でプレーして、スタジアムの熱気を肌で感じてすごく高ぶるものがありました。これがプロの世界なんだと実感した記憶があります。トップチームでの約1年半。コロナ禍の影響で、子どものころから見てきた満員の等々力の中で、サポーターの皆さんの大きな声援の中で一緒にプレーすることはできませんでしたが、皆さんにはいつも温かい雰囲気と大きな拍手で後押ししてもらいました。ありがとうございました。
チームメイト、スタッフ、そしてたくさんのサポーターの皆さん、たくさんの方々に支えられてここまで来ることができました。フロンターレで学んだことを生かし、これからサッカー選手としてもっともっと成長していきたいと思います。
最後に。去年僕の応援歌を作っていただいたのですが、その歌をスタジアムで聞けなかったのが心残りではあります。いつかまた等々力に帰ってきたときに、その応援歌を聞けたら嬉しいです。今まで応援ありがとうございました」
三笘 薫(みとま・かおる)
■ポジション:MF
■生年月日:1997年5月20日
■身長/体重:178cm/71kg
■出身地:神奈川県川崎市
■経歴:東京ヴェルディスクール - さぎぬまSC - 川崎フロンターレU-10 - 川崎フロンターレU-12 - 川崎フロンターレU-13 - 川崎フロンターレU-15 - 川崎フロンターレ - 筑波大学 - 川崎フロンターレ
※2017年、2018年、2019年 川崎フロンターレ JFA・Jリーグ特別指定選手
■主な出場記録:J1リーグ通算50試合21得点、カップ戦通算6試合3得点、天皇杯通算7試合4得点、2021AFCチャンピオンズリーグ3試合2得点