上写真=鬼木達監督も休息十分で表情もスッキリ。勝負の後半戦へ英気を養った(写真◎スクリーンショット)
「夏なのでいろいろな使い分けが必要に」
川崎フロンターレがようやく迎えた中断期間は、休息と再構築がテーマになった。鬼木達監督自身もまずはしっかり休んでリフレッシュ。東京オリンピックを見て多くのアスリートやチームから刺激を受けたようで、同じくスポーツで戦う人々の「思い」を感じ取ったという。
今度は川崎Fがそれをピッチに描く番になる。8月9日にJ1リーグが再開し、天皇杯も含めて8月は全6試合がアウェーでの戦い。またもや試練である。シーズン後半戦はタイトルレースのクライマックスが続くから、鬼木監督もその前にこの中断期間でしっかり「仕込み」を済ませている。
「例えば守備を一つ取っても、前から行くとき、そして、ブロックを組むという表現は好きではないのでにらみながらというか、その使い分けをこの夏場はやらなければいけないと思っています。大前提は前からガンガン行くことですけど、それを90分できるかというと、夏なのでいろいろな使い分けが必要になると思います」
スタイルにこだわるのはもちろんだが、ACLでもそれができないときには自分たちのやり方ではないやり方で勝つ、という意志を表明して、そのとおりに6戦全勝した。貫いて勝つことと貫かずに勝つことのバランスは、すでに見出している。
22試合で53得点の攻撃面ではどうだろう。
「いろんな意思を合わせる部分ですよね。例えば、サイドに追い込んだときに速攻と遅攻の使い分け、中と外の使い分けでもう少し判断のところの質を上げていきたいということです。そこがいろいろな意味でベースアップになりますね」
もちろん、詳細は明かさなかったが、まずは疲れをしっかり抜くことを優先しているから、「落とし込みという意味では多くはできていない」のが現実。だが、「新しいことの入りのところは選手たちには説明できているので、あとは試合で落とし込んでいきたいと思っています」ということができてしまうのがこのチーム。まずは再開初戦の大分トリニータ戦で、その新しいことは見られるのだろうか。
「もちろん自分たちで主導権を握ってサッカーをすることが、相手が大分であるからということではなく、常に思っているので意識して戦いたいと思います。主導権を握るためにはゴールだと思っていて、ボールを保持することが主導権を握っていることになるとは思わないので、チームも自分も勘違いせずにアグレッシブにゴールを取りにいきます。チャレンジしてミスが出れば回収する、という作業を地道に何回もやっていくことが大切だと思います」
進むべき道を間違わずに、ゴールを目指していく。シーズン後半の「進化系フロンターレ」が楽しみだ。