一部の試合を除き東京オリンピックのために中断している明治安田生命J1リーグも、8月9日から再開だ。アウェー7連戦中のFC東京は難敵・サガン鳥栖と対戦する。安部柊斗は自慢の球際バトルで勝つことと、その先の攻撃への展開で勝利をつかみ取るつもりだ。

上写真=FC東京はアウェー7連線の真っ最中。安部柊斗が次の鳥栖戦への思いを語った(写真◎J.LEAGUE)

C大阪戦の1点目が一つの理想形

 FC東京の真夏のアウェー7連戦は2試合を終えて1勝1分けで、中断期間に入った。残り5試合は8月に一気に消化するスケジュール。その最初となる9日にはサガン鳥栖と戦う。やっかいな相手だ。

 安部柊斗はその鳥栖戦を「大事な一戦」と位置づける。

「鳥栖はすごくタフなチームなので、球際の根本的なところで負けてはいけないと思っています。勝ったら勝ち点で並ぶので、大事な一戦になります」

 鳥栖が現在、勝ち点38でACL圏内目前の4位。FC東京は35で7位。いわゆる6ポイントマッチに負けるわけにはいかない。J1の中でも特にインテンシティの高い鳥栖との戦いで、安部が意識するのは球際、と、その一つ先にある。

「球際で勝って、前に運んでいきたいと思っています」

 ボールを挟んで対峙する相手に勝つのはもちろんだが、勝ったあとがなおさら大事になる。そのボールをどう効果的に攻撃につなげていくか。ボランチとしては感性が問われる局面だ。特にFC東京はディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのブラジルトリオが好調を維持していて、彼らを生かし、あるいは彼らを利用して安部が生きるパターンが攻撃の肝になる。

 その理想形が「自分でボールをカットして前に飛び出して、そこからゴールが生まれたのでいいシーンだったと思います」と表現するセレッソ大阪戦の先制点だ。7月21日の第21節で13分、中盤で相手のパスを安部が読み切ってカット、そのボールがディエゴ・オリヴェイラに渡った瞬間に一気に最前線に駆け上がっていって、ゴール前に陣取った。その安部をおとりに使うようにボールはアダイウトン、レアンドロ、ディエゴ・オリヴェイラと渡って、最後はレアンドロが仕留めた。

 トリオにうまく絡んでいって、ゴールを生み出す流れに乗った。奪うだけではなく、奪ってから攻撃を完結させるのも、安部に求められる仕事だ。

「でも」と反省もある。

「3人にまだまだついていけないシーンもあります。夏でみんなが疲れているときに自分が一人、しっかり追走していってセカンドボールを拾えたら楽になると思うので、どんどん走って前に行きたいと思います」

 前への出足に加えて、360度を意識しなければいけないボランチとしては、横への視線も重要になる。

「自分はいま、左ボランチなので、体を開いて右にサイドチェンジできれば速攻になると思います。そこは逃したくないし、ボールを通さなければいけないところです。(東)慶悟くんにロングパスを送って、そこから前にディエゴが流れていくようなパスというのが形としてあるので、逃さずに意識したいと思います」

 奪う。だけではなく、そこから前に出る。あるいは横に展開する。その3つのアクションで、安部がFC東京に次の勝利をもたらす。


This article is a sponsored article by
''.