上写真=2ゴールを挙げて勝利の立役者となったエヴェラウド(写真◎サッカーマガジン)
■2021年7月7日 天皇杯3回戦(@カンセキ/観衆4,442人)
鹿島 3-0 栃木
得点:(鹿)エヴェラウド2、アルトゥール・カイキ
大卒ルーキー常本を絶賛。「能力が非常に高くて、伸びしろもある」
カンセキスタジアムとちぎで行なわれた天皇杯3回戦は、栃木の粘り強さの前になかなかゴールを奪えない時間が続いた。それでも、「今日は忍耐力が試された試合」と表現したエヴェラウドが、試合終盤に2ゴールを挙げて勝負を決めた。
アルトゥール・カイキ、ファン・アラーノというブラジル人トリオでの連係から決めた90分の2点目も見事なゴールだが、その前の80分の先制ゴールは、まさにエヴェラウドの真骨頂とも言えるだろう。昨季も、広瀬陸斗ら右サイドの選手からのクロスでゴールを量産した点取り屋はこの日、常本佳吾とのホットラインを開通させた。背番号32のクロスボールを頭でとらえ、ゴールネットを揺らした。
エヴェラウドは、「能力が非常に高くて、伸びしろもある」と、大卒ルーキーの常本を絶賛する。そして、「(常本は)1対1の勝負が非常に強いから、勝負をしてクロスを上げてほしいということを常に言っている。お互いの長所や武器を発揮できればいい」と話すように、2人の連係からの得点数増加も望んでいる。
「彼には攻撃のときに、もっと思いっきりプレーしてほしい。クロスの精度も非常に高いので、必ずしもゴールライン際までえぐってからクロスを上げる必要もなくて、時にはペナルティーエリアのちょっと手前からでもクロスを入れてもらいたい。ピンポイントで僕に合わせる必要もなくて、ちょっとアバウトなボールでも。“(クロスを)入れてくれればなんとかするから。そうでなかったら僕を叱っていいよ”っていうくらいのことも言っています」とエヴェラウド。「課題」という攻撃力アップへ練習を重ねる常本にとって、エヴェラウドは良き“アドバイザー”でもあるのだろう。
「今日のような素晴らしいクロスを上げてくれれば、こらちも(ゴールを)決めやすい。2人が意識し合って得点が生まれたのではないかと思います」
9番を背負うストライカーは、新進気鋭の右サイドバックとの連係をさらに磨き、チームの勝利を呼び込むゴールを狙い続ける。
取材◎サッカーマガジン編集部