上写真=三笘薫は将来のヨーロッパ行きのプランを見据えつつも、ACLで結果を残すためにプレーする(写真提供◎川崎フロンターレ)
「先のことは基本的には考えずに」
川崎フロンターレはACLでは初戦の大邸FCに2度、先行されながら最後は3-2で逆転勝利。続く北京FCにはメンバーを入れ替えながら7-0で圧勝した。点差がついても手を抜かずに緩めない姿勢は、まさにこのチームが培ってきたサッカーというスポーツへの礼儀だ。
鬼木達監督は3戦目のユナイテッドシティ(フィリピン)戦を前に、改めて一戦必勝の思いを語る。
「Jリーグでもそうですが、こういう大会においても先のことは基本的には考えずにやっています。ただ、今回は中2日の連戦ということで、過去に味わったことのない大会になりますので、5戦目というよりもまずはユナイテッド、そしてその次のユナイテッドと、選手のコンディションを重視しながら、メンバーを見極めていきたいと考えています」
ユナイテッドシティとは連戦となるが、選手の状態に合わせながらメンバーを組んでいくためにも、この3戦目にきっちり勝つことが重要になる。ユナイテッドシティは前節、大邸に0-7で敗れている。でも、だからこそ手綱を強く握るのが鬼木流。
「どちらも7-0というスコアではありましたけど、そこまでの力の差はないなと考えています。北京とユナイテッドの違いで言うと、単純には体格差というものがあります。ただ、ボールをつなぐ意識、ビルドアップするというところは両チームに共通するところなので、そこをしっかり抑えながら自分たちのサッカーをしたいと思います」
鬼木監督とともに公式会見に出席した三笘薫も、「1戦目、2戦目、簡単な試合ではなかったですが、チームとして良い状態で臨めていますので、しっかりと明日も良い準備をして、相手の分析をして臨みたいと思います」と冷静だ。
その三笘は東京オリンピックのメンバーに選ばれたこともあって、注目度も高く、質問が集中した。プロですぐに活躍できたことには、練習で得た自信を強調した。
「まずはチームメイトに助けてもらっていることが多くありますし、チームの戦術、スタイルにうまく適応できたことが要因だと思います。もちろん、自分自身にも自信はありましたし、自分の特徴を出すことよってチームメイトの信頼も得ることができました。結果を出すということにフォーカスしながら練習を積み重ねられてきたことが要因かなと思っています」
海外挑戦についてもずばり聞かれて、将来像を明かした。
「将来的にはヨーロッパでプレーしたいという気持ちを持ちながら常にやっています。まずはフロンターレでACLで結果を残すということを重視して戦っています。ACLはそんなに簡単な大会ではないですし、海外の強豪チームとやれるので、そこでどれだけ自分ができるかということも試されていると思いますので、自分の価値をしっかり高めていきたい」
そして、この大会をオリンピックにつなげる意欲も改めて明かしている。
「オリンピックの準備期間ではあると思いますし、そのようなとらえ方もできると思いますけど、まずはACLで結果を残すことだけに集中しています。このような日程(中2日の連戦)でオリンピックも行いますので、オリンピックに向けての準備もしやすいと思います。でも、まずはフロンターレでの結果を重視しています。オリンピックとACLでは雰囲気や相手も変わってきますので、そういう部分にしっかり対応していきたいなと思います」
三笘は第2戦では出場なし。休養も十分なだけに、ユナイテッドシティ戦ではACL初ゴールを決めたいところだ。