上写真=登里享平にとっては7度目のACL。これまでの悔しさをぶつけて歓喜をつかむ大会にする(写真提供◎川崎フロンターレ)
「たくさんしゃべっちゃいましたね」
川崎フロンターレがいよいよアジア・チャンピオンを目指す戦いが始まる。
6月20日にウズベキスタンに入って、調整も順調。新型コロナウイルス感染拡大防止のためにバブルに入っての活動で、行動制限がかかるが、登里享平はオンライン会見の場で「部屋に閉じこもってばかりだから、たくさんしゃべっちゃいましたね」と笑って、報道陣との会話も上手に気分転換に役立てている。
川崎Fはクラブとしてはこれが8度目の挑戦。過去に出場してきた選手に共通するのは悔しさで、特に「アジアで勝てないと言われたくないです」と登里も話すように、日本では強いのに、と「内弁慶」とみなされることへの反発心が強い。
「日本を引っ張っていくという意志の下でやってきて、しっかりアジアでも圧倒して勝てるように心身ともに準備していきたいと思っています」
登里は過去に6大会でプレーしていて、「アジアで勝てない」悔しさを嫌というほど味わっている。だが、今回は手応えが違う。
「本当にタフさは自分でも手応えがあるところでもありますし、そのタフさを含め、システムも昨年から変えて取り組んでいて、これまでと違ってより自信を持って挑める大会でもあると思います。本気でACLで優勝しにいける準備は全員が整っていると、見ていて感じています」
中2日で6連戦という過酷な日程で、重要な3つのポイントを挙げた。まずは〈効率〉。
「効率良く戦うというところも重要になってくると思います。タイトなスケジュールですし、バトルのところは消耗も多いと思うので、ゲームコントロールだったり、しっかり試合を終わらせるところで重要性はあると思います。一戦一戦戦う、という意識も必要ですし、見極めながらコントロールできればなと思います」
次の一つは〈球際〉。
「国際試合ではより球際が大事で、そこでボールをこぼしてしまうと一気にたたみ掛けられてしまいます。そういう細かいところの積み重ねの重要性が大きくなってくると感じています」
最後は〈水分〉。
「日本はジメジメしていて、こっちは乾燥しています。普段の生活は乾燥している方がいいですけど、サッカーをしていると口呼吸したら乾いて息が上がってしまうので、水分補給は大事になってくると思います。飲水タイムが今回はないので、不安要素でもありますね」
そうした困難も、すべて圧巻のプレーで打ち破ってきたのが、いまの川崎Fだ。
「まずは1位を全勝で狙っていきます」と本気モード。韓国の大邸FCに対する最初の勝利に向けて、ピッチを駆け回るときが近づいてきた。