上写真=森重真人は勝利のポイントに決定力を挙げている。自らもセットプレーで狙う(写真提供◎FC東京)
悔しい、情けない
5月26日・J1第16節 0-3清水エスパルス
5月30日・J1第17節 0-0サンフレッチェ広島
6月5日・ルヴァンカッププレーオフステージ第1戦 0-1湘南ベルマーレ
6月9日・天皇杯2回戦 1-2順天堂大
FC東京が、勝てない。しかも、天皇杯では大学生に衝撃的な逆転負けを食らった。
「シンプルに悔しいというのと情けないところで、もちろんなめてかかったわけではないですし、でも、いまの自分たちの実力だったり現在地がそういう結果として表れているのだと思います」
森重真人はベンチ入りをしなかったものの、現地で仲間が倒れる姿を目の当たりにしていた。
それを取り返すのに格好な場所が待っている。ルヴァンカッププレーオフステージ第2戦、湘南戦が6月13日に行われる。第1戦はホームで0-1で敗れているから、得失点差、アウェーゴールの差で上回るために2得点以上の勝利を目指していくことになる。そうすれば、ベスト8進出だ。いわば、学生に負けたどん底の状態から、一気にV字回復する絶好のチャンスなのだ。
「相手の方がやりにくいとは思うので、まず自分たちが試合開始と同時に相手に襲いかかるようなプレーをしていかなければいけない」
それが森重のイメージだ。アウェーで1-0で先勝した湘南の立場から見れば、優位ではあるものの一つの失点で脅かされる状態でもある。それを逆手に取って、一気呵成に攻め抜くつもりだ。
一方で、センターバックとしては第1戦の失点を反省しなければならない。左からのクロスは森重の頭を越えて、その奥の渡辺剛のさらに向こう側からウェリントンにヘッドで叩き込まれた。
「ウェリントンのヘッドの強さは相手の武器なので、簡単にサイドからいいボールを上げさせないこと、中で競り合うことが大事だと思います」
渡辺とのすり合わせもできている。
「まずはクロスを上げさせないところと、ディフェンダーがしっかり競っていてもピンポイントで合わされて失点しているので、しょうがないとは思っていますけど、やはりフリーで上げさせてフリーで打たせているので、そこに修正の余地があると思っています」
その「予防」とも言えるのが、センターバックとボランチの関係になるだろう。青木拓矢と安部柊斗が森重と渡辺の「壁」の前に構える。
「2人とも攻守において広範囲に顔を出せるので、後ろから見ていて頼もしいですし、危ないところを消し続けてくれています。あとはディフェンスラインとのコミュニケーションや受け渡しがもっとスムーズにいけるかなと。もうちょっと細かいところを詰めていければより強固な守備を築けると思います」
学生に敗れた直後で、自分たちが見せるべき姿があるはずだ。
「ルヴァンカップの試合もそうですし天皇杯もそうですし、自分たちが何を思ってどう行動していくのかで、今後、自分たちが上に行けるのか下に下がるのかに変わってくるのではないかと思っています」
ルヴァンカップ連覇への道を開くだけではなく、まさに未来を分ける重要な決戦になる。