上写真＝右サイドバックとして奮闘した三浦弦太。しかし勝利はつかめなかった（写真◎Getty Images）
■2021年5月22日 明治安田生命J1リーグ第15節（＠味の素Ｓ/観衆4,886人）
ＦＣ東京 1-0 Ｇ大阪
得点:（Ｆ）ディエゴ・オリヴェイラ
ミスに消極的になってはいけない
今季初めて右サイドバックで先発した。松波正信監督はその理由をFC東京のアダイウトン封じだと説明。三浦の守備力を買って、CBではなく右に配したのだった。
しかし、立ち上がり早々、左サイドを崩されることになる。深い位置まで進入され、パス交換から内田宅哉に4バックの左CB菅沼駿哉が抜かれてしまう。ボックス内に入り込まれ、右CB昌子源はマークを話してカバーに回るしかなかった。その瞬間、内田からのクロスがディエゴ・オリヴェイラへ。三浦もボックス内まで絞っていたが、フリーで決められることになった。
「立ち上がりすぐの失点で、結果的にそれが負けにつながり、もったいなかった。そのあとは、なかなか勝てていない中で、立ち上がりに失点し、バタバタして試合運びの部分で難しかった」
連敗脱出へ、まずは失点をしないこと。そしてチームの課題である攻撃、すなわち得点を生むプレーへつなげていくこと。ゲームプランは開始早々に崩れることになった。ただ、失点は開始1分。まだ時間は十分に残されていた。しかしながら一度、崩れたプランを修復することは連敗中で負のスパイラルにはまっているチームには難しかった。
先行した相手は構える時間を増やし、G大阪はボールを握って押し込んだものの、分厚い守備を破ることができなかった。ハーフタイムには松波監督からもクロスに入る際の中の動き出しについて指示が出たと三浦は明かしたが、結局、跳ね返され続け、ついぞネットを揺らすことはできず、試合終了の笛を聞くことになった。
今季9度目の無得点。そして4連敗。チーム状態の悪さを露呈する結果になってしまった。
「なかなか点も取れず、勝ち星も取れず、選手自身もチーム自体も非常に苦しい時期ではあると思います。選手の中でどんどん要求していこうと話していますが、その要求が文句だったりネガティブな方に進んでいくのはよくないと思うので、こういう状況ですけど、ポジティブな声を選手の中でかけ合いながら苦しい状況を打破していくしかない」
きっかけをつかむために、もがいていることが三浦の言葉から伝わってくる。
「今はガムシャラにやるしかない。泥臭くやる中で、選手同士で、戦術の部分やサッカーの部分を高めていくしかない」
チームを好転させていくための特効薬などないことは、三浦自身もよく分かっている。だからガムシャラさや積極性を求め、選手間の闊達かつ建設的な意見交換が必要だと強調したのだろう。来月はACLが開幕する。その後には未消化分の試合を戦うため、真夏の連戦が待っている。立て直しは急務だ。
「全員が意識して、ミスで消極的になることなく思い切ってサッカーをやっていく必要がある」
試合数は他チームより少ないながらもわすか1勝で、暫定19位。次戦（27日）は昇格組ながら13位につける徳島と対戦し、30日には20位の横浜FCと相まみえる。浮上のきっかけをつかむことができるか。チームにとって、そして危機感を募らせる三浦キャプテンにとっても、正念場の連戦となる。
