上写真=山根視来が裏に抜けてから確実に折り返したのがこの瞬間。三笘薫(18)のゴールを導き、今季5アシスト目(写真◎J.LEAGUE)
■2021年5月22日 明治安田生命J1リーグ第15節(@等々力/観衆4,942人)
川崎F 3-1 横浜FC
得点:(川)家長昭博、田中碧、三笘薫
(横)クレーベ
「僕がうまければもっと得点もアシストも増える」
山根視来が久々のアシストだ。J1第15節の横浜FC戦。前半を2-0で折り返して入った後半の、わずか2分のことだ。
右サイドで家長昭博から内側で受けたボールをワンタッチで田中碧に落として、前へダッシュ、田中もワンタッチで浮き球のパスを裏へ送り込んで山根にぴたり。
「スペースが見えていて碧にダイレクトで返して、3人目のような動き出しで走ったらいいボールを出してくれました。最初はシュートを打とうと思ったんですけど、ボールがスリッピーで回転もかかっていて難しいと思って」
そこで選択したのが、中央への折り返しだった。
「薫は絶対にあそこに詰めてきてくれているんですけど、今シーズンはあそこに入った薫にアシストをつけてあげられなかったので、そっちを選択してしっかりゴールを決めてくれました」
右足で押し込んでそのまま大喜びで抱きつきにきた三笘を、山根が受け止める形になった。
「何試合か前に、薫にそろそろアシストしてよって言われていたんです。練習では目が合ってもそこに通せないシーンもあったので、試合で得点につなげることができて(三笘は)うれしかったのかな」
これで試合を優位に進めることができた。このあとに横浜FCにペースを握られて失点するのだが、「少しバタバタしてしまったかな」という反省も残る。
「相手が寄せに来ても、冷静に見たらそんなに来ていないので、もっとボールを動かして押し込んでいければよかったと思います。無理に行って奪われたシーンがいくつかあったので、自分のアピールとチームのこととのバランスを考えればよかった」
それでもしっかり勝つのが、川崎Fの強さ。これで23試合連続無敗となって記録を更新した。自らがゴールに絡んでの勝利には、また格別な味があるだろう。
「他の選手とどう差別化するか、最後の得点のところに多く絡むことを掲げているので、今日はアシストがついてよかったと思います」
「相手もゴール前は集中して守ってきてチャンスがなかなかないので、いかに来たチャンスをものにするかが僕の最大のテーマです。僕がうまければもっと得点もアシストも増えるし、チームを楽にできる試合はあったので、引き続き練習したい」
シーズン前に掲げたのは、「得点とアシストを合わせて10」だった。今季は2ゴールを挙げていて、この日のアシストで5になったから、合わせて7。あとわずかに3だが、毎試合、ゴールに近づくチャンスを迎えているだけに、そろそろ目標を高く設定し直してもいいのかもしれない。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE