柏レイソルはルヴァンカップのグループステージ第4節で横浜FCと対戦した。その試合にはチームに合流したばかりの4人の新外国籍選手を先発起用した。当然、『トライ』の側面も強くなったが、キャプテンマークを巻いてプレーした川口尚紀は難しさを感じるとともに、いくつもの教訓を得ていた。

上写真=横浜FC戦に3バックの右CBとして先発した川口尚紀(写真◎J.LEAGUE)

もっと責任をもってやらないと

 柏にとって、横浜FC戦は難しい試合になった。チームに合流して間もない新外国籍選手4人が先発で登場。当然ながら連係は深まっておらず、パスのタイミングが合わなかったり、プレスがかからなかったりと、柏がこれまで積み上げてきた組織立ったプレーを実践できなかった。3バックの右CBを務めた川口尚紀も、その点を認めた。

「半分が新加入のブラジル人選手で、なかなかコミュニケーションの部分で、マークの受け渡しとか、やりたい守備ができませんでした。前半から後手を踏み、自分たちで苦しんでしまった展開でした。ボールを奪ったあとで落ち着いてつなげれば、もう少しいい展開になったと思いますが、最初のパスや2つ目がズレたり、そこがうまくいかずに自分たちのリズムを出せなかった」

 この試合の4日前の徳島戦で途中出場してJリーグデビューを飾ったFWペドロ・ハウルとアンジェロッティ、さらにこの横浜FC戦がデビュー戦となったMFドッジとDFエメルソン・サントスの4人が同時にピッチに立っていた。元より攻守両面で組織立った戦いをするのが柏の強みだ。この日に限っては新戦力が多く、さすがにそのストロングポイントを出すのは難しかった。ただ、ネルシーニョ監督はその点も踏まえた上で同時起用を決断している。「今日のゲームは当然ながら勝利を目指して臨んだ。しっかりと結果を狙うことと、その上で新加入した外国人選手のコンディションを実際のゲームの中で高めていく狙いがあった。初めからうまくいくとは思っていない」。ある程度、苦しいゲームになるのは想定済みだった。

 それでも前半は川口ら守備陣の踏ん張りもあって0-0でやり過ごし、迎えた後半。アンジェロッティとドッジは、それぞれ呉屋大翔、椎橋慧也と交代し、CBの田中隼人は上島拓巳に代わったが、結局劣勢を挽回することができなかった。押し込まれる時間が長くなり、結果、2ゴールを献上してしまう。とりわけ悔やまれたのは1失点目。ジャーメイン良に、上島と川口の間を抜け出されてしまった。

「1失点目については僕と拓巳との間だったので、2人でどうにかしないといけなかった。僕はラインを止めてしまったし、拓巳は背後のケアをしてしまったし。まだ、うまく意思疎通できてなくて、そこははっきりとしないといけなかった。そこに入るまでの潰せるとことで潰さなければいけない」

「メンバーも含めて難しい試合ではありましたが、コミュニケーションは大事だと改めて思いました。僕は後ろから声を出して、チームの意思というのをゲームに反映できるようにもっともっと責任感を持ってやらないといけないと思いました」

 この日、左腕にキャプテンマークを巻いて試合に臨んだ川口は敗戦という結果を踏まえて自身の責任を口にした。指揮官が明かしている通り、新外国籍選手を同時に起用し、日本のサッカーに早く慣れさせる狙いがこの試合にはあったが、勝ち切ってこそ、そのトライには意味があると考えるからだろう。

「(3連勝中の)リーグ戦はいい流れできているのでその流れを切らさず、勢いを大事にしたい。今回出た課題だったり、僕と拓巳はリーグでもやっていたので、意思のすり合わせをしっかりしたいと思います」

 この日の結果で、ルヴァンカップはCグループの4位と順位を落とすことになった。だが、1位の横浜FCと湘南には勝ち点2差。残り2節で十分に逆転可能な状況だ。つまり、柏はグループステージ突破を狙える位置ということ。川口が指揮する通り、この敗戦を次に生かすことこそが重要だ。その発言からするに、指揮官もすべてを織り込み済みと映る。今回得た教訓を、新外国籍選手やこれまであまり一緒にプレーすることのなかった選手たちとの連係構築に生かせれば、この日の『トライ』は、より意味のあるものになる。すべては今後の振る舞い次第ーー。


This article is a sponsored article by
''.