上写真=以前からアジアでのプレーに興味があったというユンカー。「別の文化を学びたい」(c) URAWA REDS
「点を取るだけではなく、アシストもできます」
身長186センチの左利き。浦和レッズに待望のゴールゲッターが加わった。デンマーク人のキャスパー・ユンカーだ。
「強みはスピードとボックス内のポジショニングで、左足のシュートも得意です」
これが新背番号7の三種の神器だ。昨季はFKボーデ/グリムトの一員として、ノルウェーリーグで25試合に出場して27ゴールを挙げた得点王で、最優秀選手。実績十分のストライカーが言うのだから、説得力がある。
「点を取るだけではなく、他の選手へのアシストもできます。点を取りながら、アシストをしながらチームに貢献したいと思っています」
取って取らせてチームを勝たせる。理想的なFW像をアピールする。
浦和は今季からリカルド・ロドリゲス監督が指揮を執り、新メンバーも加えてクラブのフィロソフィーそのものから整え直している段階。クラブが掲げる3年計画の2年目で、リデザインの真っ最中というプロジェクトにあって、どんな役割を果たすだろうか。
「監督はいいサッカーを指導していると思います。攻撃的でハイプレスをかけるスタイルは自分が以前に所属していたクラブに似ているんです。攻撃の選手は攻撃サッカーを望みますから、監督のアイディアを浸透させたい。自分に合っているサッカーだと思います」
そこで生きるのはやはりポジショニングだろう。正しい位置に立ってボールを運んでいくチームのスタイルでは、ゴール前でも同じように正しい場所でボールを呼び込む必要がある。
「自分の強みはボックス内でのポジショニングですから、もちろんたくさん動きますが、攻撃の最後はボックスの中にいたいです。引いて相手の間のスペースを使うこともできますから、監督の戦術に合わせていきたい」
「健全な競争をしたい」
4月26日に練習に合流し、28日のルヴァンカップ第4節湘南ベルマーレ戦もスタジアムで観戦したという。
「私はサッカーを愛していますので、いつでも分析して見ます。その試合もどのようにすればスペースを見つけることができるか、どこでボールを受けられるかを見ていました。チームメートを知っていく段階でもあるので、早く彼らと試合がしたいと思いました」
そうなると気になるのが、コンディション。前所属チームのキャンプで追い込んだというから、調子は悪くはなさそうだ。
「14日間の隔離期間でボールフィーリングは取り戻さなければいけないですが、ハードなトレーニングをしてきたのでコンディションは上がっています。サッカー選手ですから、早くピッチに立ってプレーしたいと思います。あとは監督の判断ですね」
コンディションの他にもう一つ、ライバルとのポジション争いがある。浦和には同じく187センチと長身の杉本健勇、ゴールセンスが抜群の興梠慎三、オールラウンドにプレーできる武藤雄樹がいる。
「練習でも見てきましたし、試合も見て非常に経験豊富で長らくJリーグでいいプレーをしている選手たちで、リスペクトに値します。非常に質が高いですが、自分もクオリティーを持ち込んで健全な競争をしたいと思います。自分自身もプレーするに値する選手であることを証明して試合に出たいと思いますが、いずれにしろこのチームにはいいフォワードのグループがあります」
初お目見えの日が楽しみだ。