上写真=オンライン取材に応じた鹿島アントラーズのディエゴ・ピトゥカ(写真◎スクリーンショット)
憧れの存在、ジーコ。「ユニフォームにサインをもらいたい」
オンライン取材の画面に現れたディエゴ・ピトゥカは、穏やかな表情を浮かべていた。
「サポーターの温かいメッセージに僕は感謝したいと思います。まだデビューもしていないのに、(21番の)ユニフォームを買ってくれていることも聞いています。本当に温かいサポーターなので感謝したい。ピトゥカといえば、視野の広さとパスの正確さ。そうやってチームを手助けしたいです」
4月2日に、待望の来日を果たした。「予定ではもうずっと前に来日しているはずでした。リベルタドーレス杯決勝(1月30日)の翌週に日本へ行く予定が立てられていた」というが、実際にはそれから2カ月後の来日となった。「日本への入国制限がかかってしまって2カ月間うずうずして、(入国できるのは)いつなのか、いつなのか、という状況の中でいました」と、日本へ渡れない期間について明かす。
来日しても、いまだ鹿島には合流できていない。新型コロナウイルス感染症防止のため、「Jリーグバブル」と呼ばれる14日間の隔離措置がとられているからだ。「部屋に缶詰め。でも、グラウンドに出る時間もあるし、部屋の中にいろいろ器具が準備されていて、そこで練習もしています」と、合流前の生活について話す。その中で、「時差の関係もありますけれど、できるだけ娘と話したりしています。自分の心を支えてくれているのが娘」と言うように、愛娘の存在が、異国の地に渡ったばかりのピトゥカの癒しとなっている。
「やっと(日本に)来られたので、早くチームメイトの助けになりたいという強い気持ちでいます。活躍したいです」
鹿島での活躍とともに、心待ちにしていることがもう一つある。「(会ったときには)たぶん、バリバリ緊張すると思う」というジーコ・テクニカルディレクターとの出会いだ。
「ブラジル人であれば、ジーコは知っているのが当たり前。そう、僕は考えています。直接の面識がないので、早く会いたくて、会いたくて。自分のユニフォームにサインをもらいたいなんていう気持ちでいっぱいです。彼はサッカーの師匠なので、学べることは吸収していきたい。彼が着たユニフォームに袖を通すことができる誇りは何ものにも代えがたいです」
チームへの合流まで、あとわずか。J1のピッチに立つ瞬間も、まもなくやってくるだろう。「フィジカル面よりも、試合勘が最大のネック」と、ピトゥカは1月30日のリベルタドーレス杯決勝から2カ月以上も実戦から離れている影響を懸念するが、「それを解決する方法は、試合をやりながら(試合勘を)取り戻していくしかない」と語る。ブラジルの名門サントスでは、南米王者まであと一歩に迫った。次は日本で、「21」の数字が記された深紅のユニフォームを身にまとい、輝きを放つ番だ。
「(鹿島には)優秀な監督と優秀な選手がいます。僕自身はとにかく、大の負けず嫌い。対戦相手がどこであろうと、勝つためにやるべきことをやり続ける。それが自分のモットーです。一日でも早く上位陣に近づけるように、みんなで努力していければと思っています」
ついに来日したブラジル人の司令塔は、鹿島の仲間たちと共に戦う準備を着々と進めている。