上写真=安定感抜群のジェジエウ。FC東京戦も守り抜く(写真◎J.LEAGUE)
「一緒に喜び合いたいと思って追いかけていって」
――鳥栖戦の決勝点を決めたのは遠野大弥選手でしたが、ジェジエウ選手が彼の髪の毛をクシャクシャにして自分のことのように喜んでいるのが印象的でした。
「彼がゴールを取ってくれたのがうれしかったんです! あのような状況で難しいゲームでしたから、必要だったゴールを決めてくれて個人的にすごくうれしくて、難しい状況だったからこそ喜びが爆発しました。一緒に喜び合いたいと思って追いかけていって、頭をぐちゃぐちゃにして分かち合いました。大弥自身はムカついていたと思いますけど(笑)、とにかく勝ってよかった!」
――今度は遠野選手が同じことをジェジエウ選手にやり返すことができるるように、ゴールを決めるしかないですね。
「そうですね。でも、僕の髪の毛は硬いので大丈夫(笑)」
4月9日のオンライン会見でのやり取りだ。その2日前、サガン鳥栖とのJ1第9節は0-0で折り返した後半、57分に相手が退場して10人になった。両チームとも選手交代などもあって試合が動き出すと、62分にピッチに入っていた遠野が65分に蹴り込んで、ついに均衡を破った。
攻めながらゴールを割れないもやもやした展開が続いていただけに、ジェジエウも大喜びだった。冗談交じりで、その歓喜を会見で明かしたのだった。冷徹なセンターバックの子供のようなはしゃぎっぷりが微笑ましかった。
「そんなに簡単に守れるとは思っていません」
鳥栖はしっかりつなぎながら前進するところとロングボールで深さを取る攻撃を組み合わせてきたが、ジェジエウと谷口彰悟のセンターバックコンビがほぼ完璧に対応していた。
「二つのやり方、ポゼッションしながらもロングボールを使ってくるという相手の戦いに対して、自分たちはしっかりした集中力で注意していました。さらに後半にはスピードのある選手を入れてきて、速さを生かすようにロングボールを出してきましたが、集中を保てましたし、ポゼッションされたときもしっかりスライドできました」
これで3試合連続無失点で、全9試合のうち完封は6試合、失点はわずかに4と相変わらずの安定感だ。
その盤石さをもって、4月11日には多摩川クラシコに臨む。FC東京との激戦だ。ジェジエウはこれまで3回戦い、すべて勝っている。
「次はクラシコということで、重要な一戦になります。ここまでにいい状態で結果を出せていますが、相手には能力の高い選手がたくさんいて、次は絶対に簡単ではなく難しいゲームになると思っています」
見る側の視点から言えば、「ジェジエウvsディエゴ・オリヴェイラ」という好調の選手がぶつかり合う盾と矛の戦いは楽しみだ。
「パワーとスピードを持つ選手がいますし、ディエゴ・オリヴェイラ選手に関してはゴールを重ねてきています。そんなに簡単に守れるとは思っていません。でも、ここまでやって来たやり方を生かしていけば、必ずいい結果になりますよ」
だからこそ、攻撃的なチームを守備で勝利に導いていく。
「東京戦はプレスがキーになります。ハイプレスで積極的に出ていきたい」