上写真=多摩川クラシコで2018年以来の白星を狙う東慶悟。キャプテンとして先頭に立つ(写真提供◎FC東京)
「消極的にならず前向きにチャレンジ」
さあ、多摩川クラシコだ。
今回は37度目の開催。東慶悟自身はFC東京に加わった2013年から、このリーグでの川崎フロンターレ戦に過去11度、出場している。戦績は3勝2分け6敗。「多摩川クラシコデビュー」となった13年のホームゲームは2-0で勝っていて、その2点目を決めている。
川崎Fは8勝1分けの首位。FC東京は4勝3分け1敗の6位。リーグ優勝を2021年の目標に掲げているだけに、必ず倒さなければいけない相手だ。青赤のキャプテンはだからこそ、ベーシックに戻る。まずは感謝。
「個人としては、コロナ禍で難しい状況の中でお客さんが2万人まで入ることのできる状況で試合ができることに感謝したいと思います。そこを感じながらプレーしなければいけないですし、自分は去年ケガで試合ができない時間が長かったので、改めてプレーできる喜びを感じながらやりたいと思います」
昨年は0-4で敗れたホームゲームには前半のみの出場、アウェーゲームは負傷の影響で欠場した。だから余計に、プレーする意義を感じている。
次に、守備の「当たり前」。
「ゴールしたりされたり、というのは細かいことが影響してきます。ほんの一歩にこだわるとか、ピンチは試合中、多々あると思いますけど、体を張ってスライディングして防ぐといったところは重要になります。最近はそれができているから大量失点がないと思うので、川崎戦ももちろんこれから毎試合、続けていくことが東京の良さだと思います」
いま、その象徴的な存在は、ディエゴ・オリヴェイラではないだろうか。前節の北海道コンサドーレ札幌戦では2得点を挙げた攻撃だけではなく、鬼気迫る守備も見せて獅子奮迅の活躍。キャプテンからはどう見えているだろうか。
「今年に限らず毎年毎年、ゴールだけではなくチームのために献身的にプレーしてくれて、それが全体に伝播していると思います。もちろん、ゴールを求められるポジションですけど、それ以外でもチームのためにやってくれていて本当にありがたいし、それでみんなの意識が変わっていくと思うので、よりチームのプラスになっていくのを感じています」
すべての選手に高い意識があって失点が減少傾向にあるのは当然のこと。でも、「エースのディエゴ」がそれを率先して表現しているからこそ、まさに「東京らしさ」として認知されるのだ。
川崎Fは確かに強い。リーグ戦では2018年の最初のアウェーゲーム以来、勝っていない。しかし、昨年のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝では2-0で勝利を収めている。「何とか食い止めて歴史を変えていきたい」とすごむ。勝機はある。
「チャレンジしていくしかないし、自分たちがいまどれだけ川崎相手にできるかを試す場だとも思っています。去年のことは忘れて、僕たちだけでじゃなくて川崎も変わっている部分もあるので、消極的にならず前向きにチャレンジした試合にしたいです」