上写真=スタンドの拍手に応える森重真人(写真◎J.LEAGUE)
■2021年4月7日 明治安田生命J1リーグ第8節(@味の素ス/観衆6,236人)
FC東京 2-1 札幌
得点:(F)ディエゴ・オリヴェイラ2
(札)アンデルソン・ロペス
どこが強みで弱みか分かっている
札幌戦の試合後、長谷川健太監督も、そして森重真人も同様のコメントを口にした。それは、チームの対応力についてだ。
前半に渡辺剛が退場し、一人少ない状況となりながらも、チームは動揺することなく対応。最後には勝利をつかみ取ることに成功した。10人となった直後は4-4-1のフォーメーションで札幌に対抗しつつ、相手のサイド攻撃に対応しにくいと判断。3-4-2に変更してプレーし、攻守のバランスを整えた。
4-4-3の中盤の底、アンカーとして先発した森重は陣形の変更に伴い、CBに下がってプレーすることになったが、そもそもが本職のポジションであり、まったく問題なくプレーし、チームの勝利に貢献した。
「一人少ない中でただ守るのではなく、どう攻めるかを考えて監督が今日のフォーメーションを選択したと思います。ある程度割り切って守備をして、攻撃はディフェンスに(岡崎)慎や(中村)拓海とかボールを持てる選手がいるので、多少無理してでも後ろからビルドアップすることを意識しました」
その選択が数的不利な状況を五分に戻し、次第に優位へな状況へと変えた。
「どこが自分たちのストロングポイントでウィークポイントなのかを、分かっています。相手にどう対応していくのか。これがダメならあれをやってみようというのは監督もそうですけど、選手たち自身もいくつか引き出しは持っている。試合の中で自分たちで少しずつ修正しながらプレーできているので、パニックにならないのだと思う」
この日見せた対応力は、チームの確かな成長を示していた。一朝一夕では手にできないものだろう。指揮官が「大きな勝利」と語るのもうなづける。次戦は首位・川崎フロンターレとの多摩川クラシコ。森重は言った。「(渡辺)剛がいないことはマイナスですが、これをきっかけに出場する選手はチャンスととらえていると思うので、そこの競争意識がチームのいい循環になると思うし、いいプレーをすれば今度は剛がいいプレーをしなければいけなくなる。常に席が用意されているわけではないということがいい循環になればいい」。
ピンチをチャンスに。さらなる成長の好機に。チーム状態が良いからこその考え方であり、スタンスだろう。