開幕から苦しい戦いが続く柏レイソルのネルシーニョ監督が清水エスパルス戦(21日)を前にオンラインで取材に応じた。僅差の勝負をなかなかモノにできず、ここまで黒星が先行しているが、指揮官は「レイソルらしさ」を強調し、継続していくと語った。

上写真=選手に指示を出すネルシーニョ監督(写真◎Getty Images)

鳥栖戦の前半は良くない時の典型

 リーグ戦はここまで1勝4敗。直近3試合は3連敗。チームは今、苦境に立たされていると言っていい。清水を前に取材に応じたネルシーニョ監督は、前節の鳥栖戦を振り返りつつ、現状についてこう考察した。

「鳥栖戦はゲームは前半の入りが悪くて、ゲームテンポも上がらず、守備も組織的にできなかった。レイソルが良くない時の典型と言っても過言ではないような展開でした。ただ、後半は良くなったと思います。それこそが次節に生かせる教訓。ゲームの入りからアラートの状態で(集中している状態)、選手全員の戦う姿勢も見られました。それに伴って攻撃の形も後半に入ってから、より多くつくれていたと思います。相手を押し込んでからも焦ることなく、自分たちでしっかりボールを握って、セカンドボールも相当数、回収できていた」

 ゲームの入り方に失敗し、先制点を奪われて難しい試合展開になるケースがここまでは多い。鳥栖戦も、そのためにゲームは難しくなった。

「ゲームの入りで、アラートでいる必要がある。これまでやられた失点は簡単なミスからやれていることが多く、明らかな相手の決定機からの失点は少ないと思います。失点は、守備の問題だけではなく、そこに至るまでの攻撃でうまくいかなかったとも考えられる。今後は簡単なミスからの失点をなくさなくてはなりません。組織的に戦うというのは、守備に限った話ではなく、攻撃においても重要だということは常に選手たちに話しています。ゲームの序盤でまず失点してしまうと、われわれとしてはゲーム運びが不利になってしまう。まずわれわれがゲームをしっかりとコントロールして、自分たちから得点を奪いに行って少しでも優位に進められるようにする必要がある」

 問題は明白だ。ただ、その明白な問題をクリアできていないという現状がある。

「開幕戦から5試合リーグ戦を消化し、そのうち4試合負けているというこの状況は当然、われわれにとっては非常に良くないものです。ただ、その敗戦から次に向けて教訓も得ています。一人、二人調子の良い選手だけで勝敗を決める戦い方ではなく、やはりチーム全体で組織的に、攻守においてハードワークしながら結果を求めるのが重要です。その姿勢が、レイソルらしさであり、レイソルが勝利するための一番の重要ポイントだと思っています。ゲームの中で一人、二人の活躍によって勝ち点を得ることは起こり得ることですが、そういう戦い方は長続きしません。チームとしてしっかり全員で戦う姿勢を見せることが重要だと考えています」

 チーム一丸となって戦うというコンセプトは不変。攻守に組織立ったプレーを実践し、そのベースとしてハードワークすることも変わらず、求めていくと指揮官は言った。次節の相手は清水エスパルスだ。敵将ロティーナ監督も「良い守備から良い攻撃」を実践するチームを作り上げており、ある意味では志を同じくする相手との戦いと言えるかもしれない。ネルシーニョ監督は「セレッソ時代に対戦したときの印象が強い。組織的な守備からカウンターが、非常に特徴的なチームだと思います」とその印象を語った。

 連敗ストップと今季2勝目がかかる重要な一戦。柏の試合の入り方に、注目だ。


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