上写真=旗手怜央がU-24日本代表に選出。久々の代表活動にプロでの経験をぶつけていく(写真◎Getty Images)
お互いの良さを分かった上で、プレーの選択ができている
「素直にうれしい気持ちと、入ったからには頑張りたいという二つの気持ちでいっぱいです」
東京オリンピックを控えて、U-24日本代表がU-24アルゼンチン代表を迎えて戦うテストマッチ。そのメンバーに、川崎フロンターレからは田中碧、三笘薫とともに旗手怜央も選ばれた。新型コロナウイルスの影響で、試合となると2020年1月のAFC U-23選手権以来の活動になる。
この大会は1分け2敗でグループステージ敗退と散々な結果だった。旗手は3試合すべてに出場しているが、この当時はまだ大学生だった。
「自信という点では、まずこのチーム(川崎F)で昨シーズン1年戦ってタイトルを取ることができて、試合にも出続けたので、その前と比べればあると思います。ただ、海外でプレーしている選手もいろいろな経験をしているので、差が縮まっているのか分かりません」
自己の成長を感じながらも、仲間の成長に刺激を受ける日々になりそうだ。
そのAFC U-23選手権では攻撃的なポジションでプレーし、昨季は川崎Fでもそうだったが、今回は左サイドバックという新しいポジションで活躍する中での選出だ。U-24日本代表の発表では登録はMF。
「どこで出ても準備できていますし、サイドバックでも前のポジションでも自分にしかできないプレーをしたいと思っています」
川崎Fで左サイドバックに入ったことによって、逆にポジションというものへの先入観は消えたという。
「鬼木監督からはサイドバックの型にはまらなくていい、攻撃は自由にやってくれと言われています。ただ、自分がプレーできているのは周りの選手のおかげだと感じています。攻めていって中とか右に行ってもボランチやセンターバックの選手がカバーしれくれて、それあって攻撃ができていますから。試合をやるうちにそういう感覚は研ぎ澄まされていて、攻めに出るタイミングが理解できているので、いまのポジションで楽しみながらできています」
周りの人のおかげ、という点では、左サイドで関わり合いながら相手の守備陣を軽やかに破っていく三笘とのコンビネーションは楽しい。同じくU-24代表に選ばれているドリブラーは以前、左サイドバックとしての旗手を「何でもできる選手」と絶賛していた。旗手から見ると、どんなコンビなのだろうか。
「昨年の最後のころや天皇杯では、僕があまり(左サイドバックの)経験がないというのがあって、薫がドリブルするので早くパスを出さないといけないという思いがあったんです。でも、今年はキャンプからコミュニケーションを取ってやっていくうちに、そこはあまり意識しなくてはいいのではないかと思っていて、僕がやりたいようにというか、僕の特徴をあのポジションでも出していければ薫がそれに合わせてくれるというか、お互いの良さを分かっていて、その上でプレーの選択ができています。その点が一番良くなっている部分だと思います」
川崎Fで右肩上がりの「左サイドコンボ」、これをそのままU-24代表に組み入れても面白いかもしれない。そうなれば、世界に伍していくために、また新しいオプションを手に入れることができるのではないだろうか。