横浜FCの下平隆宏監督が名古屋グランパス戦を前にオンラインで取材に応じた。チームは開幕から4連敗中と苦しい状況だが、指揮官は連敗脱出に向けて、まずは選手の意識を変えることが必要だと強調した。

上写真=ボードを使って選手に説明する下平隆宏監督(写真◎Getty Images)

僕らは声援に応える使命がある

 現在、4連敗中。J1全20チームの中で、4試合を終えて勝ち点ゼロは横浜FCだけだ。激しい雨で開始が遅れた前回のセレッソ大阪戦は前半に1点を先行され、後半に一度は追いついた。だが、勝ち越しを許すと、そこから崩れて4失点。完敗を喫した。

 下平監督はチームの現状について、「前回の敗戦はかなり選手たちにとってもショックな敗戦でした。天候も荒れてかなり寒い中の試合で、なかなか終わったあともしんどいゲームだったと思います。試合翌日、翌々日はオフを取って、月曜日(15日)から練習を再開しましたが、選手たちも開幕4連敗を受けて、危機感を抱き始めています。僕もそうですが、何かを変えていこうと、ミーティングを含めて、この間にかなり動きはありました」と説明した。

 今季は4チームが降格するレギュレーションだ。まだ4試合を終えたに過ぎないが、その4試合で3得点13失点という内容はいただけない。チームとして現状をしっかり受け止め、変わる必要を指揮官は感じていた。何より重要なのは「意識を変えること」。だから「かなり動いた」。

「去年は攻撃の部分で点が取れなかったということもあって、攻撃面で補強をしましたし、トレーニングしてきました。ですが、今季で言えば失点が重なっている。オフを挟んで僕自身も色々と考えました。応急処置的に攻撃が、守り方が、と選手に何を話そうか考えたのですが、そもそも根本的なところで、組織として戦える集団になっているのかと。いま一度、そこの部分を考えようと話しました。少し選手間で遠慮があったりとか、お互いのプレーに対してどん欲に求め合えていない部分もある。本当にチームとして一体感が出ていないところが、今は一番問題ではないかと。まずは組織としてグループとしてチームとして勝てる集団になれるように。それが意識を変えていくことです」

 磨いてきたビルドアップも、サイド攻撃も、局面で戦うことができなければ、そもそも発揮することはできない。1失点後、組織として簡単に崩れてしまうチームの再建は、まず意識を改めることが重要と指揮官は強調した。

「不運な失点も理由はあると思います。不運だけでは片づけられない部分もある。僕は最終的にはメンタル的なものがゲームに出ると思っています。相手よりも勝ちたい気持ちとか。これまで、どちらかと言うと選手にそういうものを押し付けるようなことはしなかったですが、現状を考えたときには(求めなければならない)。選手にも話しましたが、あの土砂降りでキックオフが2時間遅れて、その中でサポーターが再集合してくれて応援してくれました。そこで勝つゲームを見せられれば良かったんですけど、最後まで失点を重ねるような情けないゲームをしてしまった。終わったあとも拍手してくれる、サポーターの思いに応えないといけない。応える使命が僕らにはある。そこは選手にも話をして、応援してくる人たちのためにもしっかりやろうと」

 次節(今日17日)は、横浜FCとは対照的に開幕から4連勝中の名古屋が相手だ。指揮官は「失点はしっかり無くす、減らす作業をしながら、ボールを持って攻撃していくというのは変わらない」と、今後もチームの戦い方自体に変更はないと話す。意識を変え、一丸となることで連敗ストップを目指すーー。


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