上写真=71分にピッチに入った細谷真大。強引なドリブルが魅力だ(写真◎J.LEAGUE)
■2021年3月10日 明治安田生命J1リーグ第3節(@三協F柏/観衆2,877人)
柏 0-1 名古屋
得点:(名)稲垣祥
「気合を入れてアピールしてきました」
柏レイソルのアカデミーからまた一人、若きストライカーが存在感を示した。細谷真大だ。
トップチームデビューは2019年で、J2で6試合、ルヴァンカップで1試合に出場。20年にはJ1デビューも果たし(出場は2試合)、ルヴァンカップでは6試合出場でプロ初ゴールも決めている。
となれば、20歳になる21年はさらなる飛躍を自分自身に求めることになる。
「練習から自分自身で気合を入れてアピールしてきました。出場機会をもらったのは、練習からいいアピールができているのかなと思います」
3月10日のJ1第3節、名古屋グランパスとのホームゲームで、前節2得点の呉屋大翔に代わって71分にピッチに登場、今季初出場を果たした。だが、喜んでいる暇はない。スコアは0-1のビハインド。当然、狙うはゴールだ。
「自分が得意としている裏への抜け出しが少なかったので、積極的にやっていこうと。裏の抜け出し、相手が嫌がるポジションを取ろうと思っていました」
その意識がチャンスにつながったのが、90+3分のシーンだ。5バックにして壁を作る相手の最終ラインの前にスペースを見つけて入った。椎橋慧也からボールを引き出す。そのまま相手3人を引き連れて強引に中央に入っていく。クリスティアーノとのワンツーでさらに前進、バランスを崩しかけたものの仲間隼斗につなげた。仲間は左足ボレーで狙うが、残念ながらゴール左へ…。
「もらったときにターンすることや、前が空いているならドリブルというところは得意としているので出せたかなと思います」
その実感はまさにこのシーンで味わった。相手の嫌がるところで受けてターン、一気にドリブルで突き進んで相手を引きつけ、最後は右足の裏でボールをこすって背後にいた仲間に預けるテクニックで困らせた。身長は177センチと大柄なわけではないが、重心が低く体幹がぶれない重厚感あふれるドリブルを、堅守の名古屋にぶつけてみせた。
「(スピード感には)ついていけてはいますけど、フィニッシュがまだまだと感じているので、もっとJ1の守備の堅さに慣れていかなければいけないと思います」
公式記録でシュートはゼロ。
「いいところまでは行けるんですけど、フィニッシュのところでシュートを打てていません。それが求められていると思うので、積極的に打っていきたいと思います」
次のチャンスでは強引にでも狙って、J1初得点をもぎ取りたい。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE