上写真=広島のGK大迫敬介。3失点を悔やんだが、収穫もあったと話した(写真◎Getty Images)
後ろが辛抱しなければいけなかった
広島は先制し、加点し、前半のうちに2点のリードを奪った。30分過ぎに1点差に詰め寄られても、前半のアディショナルタイムにもう1点を加えて、突き放すことに成功。アドバンテージを持って、後半を迎えることになった。
「前半、いい形で先制して、そしていい流れで2点目を取れました。しっかりと後ろが辛抱しなければいけなかったところで、相手に自分たちのスキを突かれて失点してしまった。でもそこから突き放すことができて、後半の立ち上がりに全員でもう1回、発進していこうということでした」
ゴールマウスを守った大迫は、後半を迎える際の心境についてギアを入れ直したと明かした。しかし、リードを守り切れず、最後はドローを演じることになった。前半につかみかけた勝ち点は、後半の失速で3ポイントから1ポイントへと変わってしまった。
「相手にボールを握られる時間が長かったですし、勢いに押された部分もあったのかなと思います」
後半の戦いぶりは、確かに横浜FMの圧力がまさった。それでも、と大迫は言う。
「自分の感覚的に防ぐべき失点が多かった。その点で責任を感じています。とくに2失点目なんかは触っていたので、何としても(ゴールから)かき出したかった。ただ、後半だけで言うと、相手に2点を取られて苦しい流れでしたが、よく後ろはあそこから引きずらずに耐えたと思います。もちろん、勝ち切りたい試合でしたけど」
2失点目は、シュートする瞬間を見極めることが難しいゴールだった。広島のDFを背負いながらボールを収めたオナイウ阿道が反転しながら放ったもの。それでも大迫は抜群の反応を見せて左手でボールを防ぐ。しかしシュートの勢いが勝り、最後はネットへと吸い込まれた。
J1開幕戦(仙台戦/1ー1)、そしてルヴァンカップ初戦(清水戦/0-0)と今季の公式戦2試合を引き分け、必勝を期して臨んだ試合だった。リードを奪いながら追いつかれたことは確かに悔しさが残る。ただゴールへ向かう意識や終盤の波状攻撃を耐えきったことで敵地で1ポイントを手にしたのも事実だった。
「感覚的には2試合(J1リーグの仙台戦、横浜FM戦)とも勝ち点3を取らないといけない試合だったと思っていますし、悔しさの方が残ります。でも勝ち点1はしっかりと拾っている。2試合で勝ち点2というのを、先のゲームにつなげながら、切り替えて修正していければと思います」
次節は10日水曜日。中2日で迎えるホームの札幌戦だ。タイトな日程となるが、「J1で2戦無敗」である事実をしっかり自覚し、大迫は今季初勝利を目指す。