上写真＝2ゴールで充実の表情。呉屋大翔が柏2021のファーストゴーラーになった（写真◎J.LEAGUE）
■2021年3月6日 明治安田生命J1リーグ第2節（＠三協F柏/観衆3,898人）
柏 2-1 湘南
得点：（柏）呉屋大翔2
（湘）岡本拓也
「なんとなく引っかからなさそうだと」
柏レイソルの2021年初ゴールは、呉屋大翔！
14分、クリスティアーノがワンタッチで右奥に大きく送り込む鮮やかなサイドチェンジで局面を変えると、受けた高橋峻希が鋭いクロス。中央で待ち構えていたのが呉屋だった。しっかりとヘッドで叩きつけてゴール左に送り込み、リズムを狂わされたGK谷晃生もほとんど足を動かせなかった。
「最初、ニアに突っ込もうと思ったんですけど、なんとなく引っかからなさそうだと感じたので、止まってよかった」
動かず、止まる。ゴールの匂いを嗅ぎ分けたのだ。
「マークがタイトについてくるのは分かっていたんですけど、（DFは）上背はなかったのでちゃんと競れば勝てると思っていました」
前半も終了間近の43分に同点とされるが、後半にまたもや呉屋が決めきった。66分、今度は左足。
「フォーメーションが変わってからボールがスムーズに動いたので、（相手守備が）崩れそうだと感じていました。シイ（椎橋慧也）がニアに入ったのが見えたので、余っておこうかな、と。シイがシュートミスすると思っていましたからね」
そんなふうに笑って椎橋をイジるのも、感謝の裏返し。55分に大谷秀和が入ってアンカーに、椎橋とヒシャルジソンがインサイドハーフに移った。より高い位置を取ることができるようになり、ヒシャルジソンが右深くに出てセンタリング、ゴール前中央で椎橋がヘッドという攻撃が可能になった。
この椎橋のパスを呉屋が左足でプッシュして追加点。このまま逃げ切りに成功し、今季初勝利をもぎ取った。
今季は絶対的エースのオルンガが抜けたことで攻撃の再構築を叫ばれるが、呉屋自身は涼しい顔。
「プレッシャーよりも、ゴールを取らないと楽しくないという感覚の方が大きいですね。過度に取らなきゃと思うよりは、ある程度ラフに考えています。結局、取らなきゃ評価されないけれど、いまはいい状態でゴールをとらえられています」
ポストプレーも守備もチャンメークもこなして大車輪の活躍。このオールラウンドストライカーを、ネルシーニョ監督もべた褒めだ。
「これからも引き続き、チームのために得点を取ることも、戦術的な部分も遂行していってもらいたいと思います。いまのレイソルにとって非常に重要な選手だと考えています」
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
