上写真=攻撃を強く意識して戦うと話す小川諒也。自慢の左足を振り抜いていく(写真提供◎FC東京)
「苦手意識がなくても強い敵」
小川諒也と言えば、「攻撃的サイドバック」である。重心の低い走り出しから左サイドを駆け抜け、自慢の左足を振り抜いて高速で高強度で高精度のクロスをこれでもかと送り込んでいく。
しかし、2021年のアシストはわずかに2。
「シンプルに、サイドからのクロスの回数が少なかったと思います。今年はより攻撃的に、もっと前めに行きたいなと思います。レアンドロも前にいるのでコンビネーションを良くしていきたいですね」
サイドアタックの精度を高めるのは、長谷川健太監督も指摘する今季のポイントだ。小川はそのためのキーワードとして、クロスの数、高いポジショニング、コンビネーションを挙げた。
「チームとして得点数を上げていかなければいけないので、サイドからアシストしたり起点になったりゴールを奪ったりと、サイドバック陣は意識しています」
長谷川監督も「特にサイドバックの選手はクロスの精度を上げる技術的なトレーニングをしてくれました」と期待を寄せる。
昨季のチームの得点は47で1試合平均はおよそ1.38。北海道コンサドーレ札幌と並んで上から7位タイだった。リーグ制覇を掲げるチームにとっては物足りない。昨季の川崎フロンターレの88ゴールは特別だとしても、この5年のチャンピオンチームの1試合平均得点は約1.98だった。
そのためには、小川のアシストが見たい。
「特に決めているわけではないんですけど、2ケタのアシストを目標にやっていきたいと思います」
まずは開幕戦で最初のアシストといきたいところだ。浦和レッズとのアウェーゲーム。苦手にしてきた相手だが、昨年はホームもアウェーも勝利をもぎ取る「ダブル」を達成した。
「浦和もメンバーは変わっていますけれど、こちらも若いメンバーが増えて、去年から入ってきた選手もいるので苦手意識はチームとしてはないかなと思います。ただ、苦手意識がなくても強い敵であることには変わりありません。開幕の難しさもあるし、相手のホームですし、油断せずに戦っていきたいと思います」