ヴィッセル神戸は沖縄キャンプで鍛えている。オンライン取材に応じた古橋亨梧は、ボールを蹴ることのできる喜びを全身に表してピッチを走り回っている。今年の目標は「15得点10アシスト」とズバリ宣言。今年もやってくれそうだ。

上写真=「同じホテルでみんなと食事して練習して」というキャンプが楽しいと古橋亨梧。今年も俊足をかっ飛ばす(写真◎VISSEL KOBE)

「ここ数年で一番走ってますね」

 毎日が楽しくて仕方がないのだという。古橋亨梧はプレーする喜びをキャンプ地である沖縄で思う存分、表現しているようだ。

 そんな最高の環境の中で、2021年シーズンの15ゴール奪取を宣言した。

「得点はまずは15ですね。まだいけていないのでいきたいし、アシストは二ケタに乗せたいと思います」

 2018年はFC岐阜からシーズン途中に移籍してきて13試合5ゴール、19年は31試合10ゴール、20年は30試合12ゴールと右肩上がりだから、15は突拍子もない目標ではない。昨季はアシストも5だから、こちらも届かない数字ではなさそうだ。

 2020年のJ1で見ると、15得点以上は28得点のオルンガ(柏)、18得点のエヴェラウド(鹿島)、15得点のレアンドロ・ペレイラ(広島)で、それぞれアシストは4、4、2に留まっている。「15得点10アシスト」に最も近いのは、川崎フロンターレの三笘薫が記録した「13ゴール12アシスト」だろう。

 この目標を達成するために、自分自身に高い意識を求めている。

「シュートを枠に入れること、よりシュートの意識を持って決めきることをやらないといけないですね。遠慮しないで、打つなら決めきる。決めれば周りも文句はないと思います」

「意識は足りないと思っているので、まだまだやらないといけないですね」

 後押しになりそうなのが、三浦淳寛監督がチームに求める攻撃のテーマだ。

「監督もおっしゃっていましたが、ボールを持った選手を追い越していくことをテーマに掲げているので、選手みんなで取り組んでいます」

「ちょっとずつちょっとずつ、落とし込めていると思います。キャンプはまだ続きますし、練習試合も始まるので、みんなで話し合って実戦で試していければ」

 ボールホルダーを追い越していくということは、それだけ攻撃に人的リソースを掛けていくという意思表示だ。

「やっぱり誰かがアクションを起こさないと、相手のディフェンダーは怖いと思わない。誰かが抜けていくことでスペースが空いて、そこに、ボールを持った選手を誰かが追い越して入っていくことは大事です」

 そうやって攻撃の機会が増えれば、当然古橋のチャンスも増えることになる。

 追い越すことはリスクも伴うが、それをカバーするのはスタミナだろう。どのポジションの選手にもスプリントの能力が求められていく。

「ここ数年で一番走ってますね。だからしっかり仕上げていけると思うし、まだ個人的に強くなれると思って走っています」

 朝食の前にビーチに出て体を動かすなど、コンディションを高める作業は何でもやる。「15&10」への意欲の表れである。


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