横浜F・マリノスの渡辺皓太が1日、キャンプ地からオンラインで取材に応じた。2019年夏の加入以降、徐々に存在感を増しているが、新シーズンは勝負の年と位置付け、これまで以上の活躍と定位置奪取を目標に掲げた。

上写真=オンラインで取材に応じる渡辺皓太(写真提供◎横浜F・マリノス)

1年を通してチームの力になりたい

 2019年の夏に東京ヴェルディから加入し、同シーズンは9試合に出場した。うち2試合で先発。途中加入としては悪くない数字にも思えるが、本人の感想はどうではない。チームは攻撃サッカーを貫き、最後にリーグ制覇を成し遂げたものの、渡辺自身は喜びよりもむしろ悔しい思いの方が強かったと当時を振り返る。

「タイトルを獲った年は、自分にはあまり実感がなくて。出場数は少ないし、時間も少なくて、なんか優勝を近くで感じていただけでした」

 チームに貢献したと胸を張って言える状況になってこそ、優勝の実感も沸く。8月の加入であり、致し方ない面もあるが、自分に厳しく、渡辺は言い切った。

「(比較すれば、昨シーズンに)タイトルを獲れなかった悔しさより、自分がピッチでなかなかプレーできなかったことのほうが悔しくて。だから今年は本当に1年を通してチームの力になりたいし、それでタイトルもついてくれば最高の年になると思う。本当に試合に出るということを目標にしたいと思います」

 23歳はもう若くはない。高卒ルーキーが4人いるチームにあって、「自分はもう若手じゃないというのは感じるし、トライする部分とか勢いのあるプレーはもう一度自分もやっていかないといけないと思っています」と自身の立ち位置を実感してもいる。だからこそ、キャンプにも前のめりに取り組む。

 2019年に比べれば、昨季は出場数が19試合に増え、先発も7試合を数えた。それでも本人は「試合数が多くてメンバーを替えなければいけない状況で試合に絡めていたと思う」と冷静に状況を受け止める。「今年は本当にスタメンで出たいし、開幕からスタートの選手として1年間しっかり戦えるように、キャンプでアピールしたいと思います」と目標は明確だ。

 依然としてコロナ禍にあり、開催に関しては不透明な部分もあるが、夏には東京五輪も控えている。そのうえで重要視しているのは、何よりもまず横浜F・マリノスで試合に出ることだ。「出ないと話にならない」とまで言い切り、覚悟してシーズンに臨んでいる。

「中盤をやるなら攻守両方できないといけない。球際の部分(で勝つ力)が必要だし、ボールを大事にするというところも意識したい。それにプラスして自分は前に出て行ってプレーすることが他の選手にはない部分だと思うので、そういうところで違いを出していけたらいいと思っています」

 2021年は勝負の年。「特別な1年にしたい」。渡辺にとって、覚悟のシーズンが始まっている。


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