上写真=新チームの戦いに溶け込む木本恭生。チームに安定感をもたらす(写真提供◎名古屋グランパス)
「自分の持ち味を理解してもらいたい」
セレッソ大阪から加わった柿谷曜一朗を筆頭に、華やかさが印象的な今オフの名古屋グランパスの補強策。その中で、木本恭生の加入こそが非常に大きな安定をもたらすのではないだろうか。
昨季の名古屋は過密日程にも関わらず、センターバックは丸山祐市と中谷進之介のコンビで全試合を駆け抜けた。この2人の能力の高さは言わずもがなで、だからこそフルタイムで守り通すことができたわけだが、アクシデントに見舞われなかった幸運も喜ばなければならないだろう。
AFCチャンピオンズリーグにも挑む今季、また2人だけでシーズンを乗り切るわけにはいかない。そこで木本の存在である。昨季はC大阪でケガもありながら28試合に出場している。センターバックとボランチでプレーして、堅守を誇ったチームを支えた。
「走りの部分もボールを使ったトレーニングも強度が高くて、前にいたチームとは少し違う環境ですけどプラスに働いていると思いますし、自分自身として充実したキャンプになっています。離脱せず最後までケガなくやるのが大事かなと思います」
仕える監督がスペイン人のロティーナからイタリア人のマッシモ・フィッカデンティに代わり、クラブのカラーの違いもあって、まずは「強さ」になじむところからのスタートだ。その上でもちろん、名古屋のスタイルの吸収に余念がない。
「戦術を理解することが大事だと思います。名古屋のサッカーの戦術があって個人の良さが出るので、チームのコンセプトを100パーセント理解しないと使ってもらえないと思います。コンディションもそうですが、戦術をしっかり理解していきたい」
頭と体の両方をフル稼働させる毎日だ。すでに実感しているのは、発見と再発見。
「監督が(30日に)合流して戦術練習が始まりましたが、セレッソ時代に学んだようなポジショニングを生かせると思います。その中で名古屋はスライドを大事にしているのは新しい発見ですし、そういう新しいこともあるけど、いままでのことも生かせる戦術だと思います」
まだフィッカデンティ監督から個人的に細かい戦術的なアドバイスを伝えられていないというが、ほかのセンターバック陣とのコミュニケーションが理解の助けになっている。
「毎日組むセンターバックが違う中で、自分の持ち味を理解してもらいたいですし、チームが継続している部分を理解しなければいけないと思っています。いろいろと相談しながら、このポジションになればこういう動きが必要、というように、細かく教えてもらっています。その上で、自分のやりやすいディフェンスの仕方を聞いてくれるので、プレーしやすい関係だと思います」
2月13日まで行われる予定の沖縄キャンプで、知って、知ってもらって、教えて、教わって、徹底的に「名古屋の男」になるつもりだ。