上写真=笑顔が絶えないサロモンソン。30日からの宮崎キャンプで鍛え抜いていく(写真◎スクリーンショット)
「アシストとゴールは去年より多く」
とてもリラックスした表情だった。エミル・サロモンソンは昨季、J1昇格を決めてシーズンを終えてスウェーデンに一時帰国、再来日して自主隔離期間を経てからピッチに戻ってくるという慌ただしい年末年始だった。だが、十分にリフレッシュできたようだ。
「期間は短かったけど、昨年は成功を収めた1年で、今年に向かって早く始動を迎えたい気持ちが大きかったので、十分でした」
スウェーデンではフィアンセや家族に会って、新しい挑戦の年に英気で心身を満たして帰ってきた。さあ、J1へのチャレンジだ。
2019年にサンフレッチェ広島の一員としてJ1を戦っているサロモンソンの経験値は、今季昇格してきたアビスパ福岡にとっては貴重なものになるだろう。19年にJ1で19試合出場2得点をマークしてから福岡にやって来て、右サイドバックとして勇躍、スピードを生かしてサイドを駆け抜け、右足で送り込む正確無比なセンタリングで、あるいは精密なセットプレーのキッカーとして昇格に大きく貢献した。
「J1で戦えることはとてもうれしいですね。J1でプレーするチャンスをもらえたこと、そこでサポーターと一緒に戦えることがとても楽しみです。良いシーズンを送れる準備はできていますし、試合ができることを楽しみにしています」
ただもちろん、「昇格組」としてチャレンジャーの立場だから、冷静で現実的な分析を忘れるわけにはいかない。
「J1とJ2の違いは、J1の方が質が高いことです。守備では相手の攻撃を警戒しなければいけないし、攻撃ではチャンスが少なくなるので、ワンチャンスで決めなければいけない、というところです」
1月30日からは宮崎キャンプに入るが、現状のコンディションは「75%は準備できています」という。「あと1カ月でリーグ戦とルヴァンカップを迎えるので、そこに向けて準備したい」と調整への逆算はできている。
すでに行っているチームトレーニングでは「去年よりもスピードとインテンシティの質が高まってきた」と実感していて、「もっと向上させるためにキャンプで頑張っていきたい」と見据えている。個人もチームもJ1仕様に引き上げるために準備を怠るわけにはいかない。何しろ、チームの目標はJ1で10位、ルヴァンカップでベスト4なのだ。
「チーム自体や個人でレベルアップしなければなりません。自分たちは強い守備を持っているので、その質を上げていきたい。負けないこと、そしてみんなで一つのチームになって戦うことが大事になってきます。きついシーズンになると思いますが、逆に良いシーズンにもなると思うので楽しみにしています」
その上で、自身2年ぶりとなるJ1の舞台で、目標を課している。
「試合数としては、出られるだけ出たいです。そして、アシストとゴールは去年より多く取りたい」
昨年は39試合に出場して2得点、そして10アシストはリーグ最多だった。
「アビスパでは少ないですけれどもいい2ゴールを決めています。今年はホームでもっと美しいゴールを決められるように頑張りたいと思います」
その2ゴールは、第14節栃木SC戦でFKを直接決め、第40節の京都サンガF.C.戦では左からのクロスが流れてきたところをきっちりと蹴り込んだもの。確かにどちらも納得の美弾。それを超えるビューティフルゴールが楽しみだ。