上写真=複数タイトルを目指す川崎フロンターレの鬼木達監督(写真◎J.LEAGUE)
日本を、世界を元気づけたい
27日、今季のACLの組分け抽選が行なわれた。川崎フロンターレはグループIで広州恒大(中国)、ユナイテッド・シティ(フィリピン)、プレーオフ勝者と同居することになった。場所は現時点で未定だが、4月21日から5月7日までの期間で集中開催されることになっている。昨秋にカタールで開催された時と同様に、川崎Fもタイトな日程の中で過酷な戦いを強いられることになりそうだ。
この組分け抽選の2日前、今季の始動日を迎えた川崎Fの鬼木監督がオンラインで取材に応じた。「久しぶりにサッカーができるという、そういう喜びを感じいる表情は見て取れました」と久々にあった選手たちの様子について語った指揮官は、今季の目標として掲げているACLについての思いも語った。
「新体制発表でも言いましたが、(選手には)複数タイトルの獲得を、という話をさせてもらいました。中でも、どのクラブもリーグとACL優勝というのはないので簡単ではありませんが、目指したいと思っています。自分たちは(ACLでは)ベスト8が最高ですが、それでも自分たちは今、そういうところを目指さなくてはいけないと話しました。コロナ禍の中で自分たちに何ができるかと考えたとき、一つはもちろんタイトルを獲ってフロンターレのサポーターを喜ばせるというところになります。そしてもう一つは魅力あるサッカーをして日本サッカーを盛り上げようということです。そういう意味では(昨季も)選手たちは結果を残してくれたと思っています。ただ、今季はそれ以上に言いますか、今度はアジアにチャレンジできる。自分たちのサッカーで魅了しながら、なおかつサッカー界だけではなく、広く発信していきたい。自分たちのチームにも日本人がいて、韓国人がいて、ブラジル人がいます。世界中の人々を勇気づけられるようなことができるという意味で、ACLで自分たちがチャンピオンになって、そこから日本を代表として戦うことができればと思っています。
だからタイトル獲得という目標に加えて、もっと深いところ、志の部分で、やはり日本を元気づけるために戦っていきたいという思いがすごくあります」
J1とACLの二冠達成は難しい目標だ。だが、それをよく理解したうえでも、挑み、達成する覚悟がある。指揮官はつづけた。
「目標を達成するために重要なのは、タフであり続けられるか、というところだと思います。あとはやはりメンタル的なところ。その両方が重要になる。自分たちはうまいとか、そういうことを言ってもらいますけども、うまいのであれば、いろんな相手の対策やフィジカルのところも気にならないくらい、相手に(ボールを)触れさせないくらい、やっぱり圧倒しないとこのサッカーで勝っていくことは難しいと思っています。ただ、自分はそこに、可能性があるとも思っているので。そういうタフさをつけながら、相手のタフさを出させないくらいのサッカーをしていきたい。現時点ではまだまだそこには達してないと思っていますし、(準備の)時間も短いですが、それでもそこを目指さなくてはいけないと。昨年のJリーグのチャンピオンでありますし、自分たちのサッカーを自信をもってやっているわけなので、目指さないわけにはいかないというか、使命感みたいなものはありますね。そういう話も選手にはさせてもらました」
J王者としての責任。そしてコロナ禍におけるプロサッカーチームとしての役割。数々の記録を塗り替えた王者は、J1連覇とACL制覇、そしてもちろん獲れるタイトルはすべて手にするつもりだ。鬼木監督と選手たちは大きな使命感をもって、新シーズンに臨む。