来日1年目となった2020年はわずか5試合の出場。それは、ちょうど1年前に負った重傷のせいだった。しかし、スペインから来たセンターバックの力を示すには十分だった。カルロス・グティエレスがJ1で堅守を超堅守に進化させる。

上写真=ちょうど1年前に重傷を負ったが、復活。グティエレスは2021年に真価を発揮する(写真◎スクリーンショット)

「ミスの少ない守備で貢献したい」

「日本最高峰のリーグでプレーできるのが楽しみですね」

 今季、新加入選手を迎えたアビスパ福岡だが、最大の「補強」はもしかしたら新加入選手ではなく、この男なのかもしれない。スペイン人センターバックのカルロス・グティエレス。

 ちょうど1年前の2020年1月26日、トレーニング中に負傷して右膝前十字靭帯を損傷し、スペインに帰国して2月に手術を行った。意気揚々と来日して間もない頃の悲しい出来事…。

 ようやく復帰したのは11月4日、第31節の水戸ホーリーホック戦だった。この試合を含めて全5試合に出場するところまで復活を遂げた。しかもすべてフル出場で、さらには4勝1分けで、敗戦はゼロ。加えて失点もFC琉球戦の1、ファジアーノ岡山戦の1だけで、あと3試合はクリーンシートだった。

 リーグ最少失点を誇ったチームだから、これはグティエレスだけの奮闘によるものではないものの、福岡自慢の堅守にしっかりと貢献したことだけは間違いない。

「昨年は残念ながらケガで長い時間、チームを離れて終盤にやっと試合に出ることができました。だから今年はトレーニングからいい準備をして、ケガのないように最高の形で開幕を迎えられればと思っています」

 ケガさえなければ、日本のサッカーに適応して戦える。その自信を5試合で感じ取った。

「昨年は長期離脱したことと過密日程で、チームでのトレーニングがなかなかできない難しいシーズンでした。それでも試合に出たときには自分のプレーができたし、力を見せられたと思っています。今年はしっかり準備していいトレーニングをして、特徴であるミスの少ない守備で貢献したいと思います。そのプレースタイルを皆さんに覚えていただければと思っています」

 ミスの少ない守備。それはJ2から昇格したばかりの福岡にとっては、何よりの光になるに違いない。恐れることなく激しく前線から食らいつくディフェンスのポリシーを持つチームの最終ラインに、ミスのない選手がいることの安心感は、とてつもない価値を持つ。

「アビスパ福岡のスタイルはJ2でもはっきり出せましたし、それをJ1で貫くことが大事になってきます。自分もそうですが、一人ひとりが役割をまっとうすればアビスパ・スタイルを継続できてJ1でも通用すると思っています」

 昨季の5試合はいわばウォーミングアップのようなものだったと思えば、2021年の活躍に期待して良さそうだ。

「ファン・サポーターの皆さんにはたくさん助けてもらいました。いいときにも悪いときにもパワーをくれました。だから、その皆さんのためにいい試合しなければいけないと思っています。どんなときも一緒に戦ってほしいと思います」

 支えてくれた人たちへの感謝の気持ちが、身長192センチのビッグマンを内面から強くする。堅守福岡を「超堅守福岡」に進化させてみせる。


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