新生・清水エスパルスが動き始めた。1月15日、新体制会見がオンラインで行われ、ロティーナ監督以下新スタッフ、新加入選手がそれぞれに意気込みを語った。クラブスローガンも「PENETRATE」に決定。大型補強を敢行したチームの冒険が始まる。

上写真=ロティーナ監督がファン・サポーターにメッセージ。すでに来日しているが、隔離期間中のため別会場からオンラインで登場した(写真◎スクリーンショット)

スローガンは「PENETRATE」

 1月15日に清水エスパルスが開催した新体制会見は華やかだった。オンラインでの開催となったものの、ロティーナ監督、イバン・パランコ・ヘッドコーチ、トニ・ヒル・プエルト・フィジカルコーチ、と新しいスタッフ、そして11人の新加入選手が登場し、「新生・清水エスパルス」がついにお目見えした。

 山室晋也代表取締役社長が発表したスローガンは「PENETRATE 突き破れ。2021 SHIMIZU S-PULSE」。

「貫く、突き進む、突破する、といった意味です。大きな壁があろうと、サポーターの皆さんとクラブが一体となって駆け上がるシーズンにしたいと思っています」

 山室社長は込めた思いをそう説明した。新しいスタッフと選手を迎えて大幅にチームを組み替えるシーズンに、大熊清ゼネラルマネージャーも「チーム力を超越したクラブ力で乗り越えていきたい」として、目標をこんな表現で掲げた。

「今シーズンは自動降格が4チームで、オリンピックもあって未曾有の超過密日程になる予定です。その中で目標は、清水エスパルスは過去もいまも未来も、みんなでACLのタイトル狙っていかなければいけないチームだと思っています」

 アジア・チャンピオンになるための最初のシーズンとなる今季、補強についてはロティーナ監督の就任が決まる前から動き始めていたと明かす。「うまい清水エスパルスではなくて、強い清水エスパルスを築きたいと動いていました。足りないところを補えて、既存の選手と化学反応を起こせば、皆さんと喜べる清水エスパルスができると思っています」と胸を張った。

 その重責を任せられたロティーナ監督、イバン・コーチ、トニ・フィジコは現在、隔離期間中のため、別の場所から会見に参加。ロティーナ監督は「チームを率いることを信頼して任せてくれることに感謝しています。その信頼は私をワクワクした気持ちにさせてくれて、同時に強い責任感をも持たせてくれるものでもあります」と気を引き締めた。

 昨年までセレッソ大阪の監督として清水と対戦しており、「この2年間、いい成績を残していないのは事実ですが、全体的にいい内容のサッカーをしていると思います。ただ、得点数と失点数のバランスが良くなかったと思います」とシビアに見ている。だからこそ、改善への意欲も高まる。

「サッカーは攻撃も守備も連動しているので、分けてトレーニングができるとは思っていません。自分たちのサッカーを築いていく中でいい守備を求めますが、それは守備的であるという意味ではありません。トレーニングのほとんどは攻撃に割かれます。攻撃は構築により時間がかかるからです。それに良い攻撃ができれば守備の時間は少なくなりますし、それが一番いい守備だと思うからです」

 攻撃は最大の防御、を地で行くスタンスで臨んでいくということだ。

 イバン・コーチの存在も、すでに日本でも東京ヴェルディ、C大阪でロティーナ監督との名コンビぶりを見せてきただけに頼もしい。

「常に協力して選手の最大のパフォーマンスを引き出すために一緒に働いてきました。仕事を分けるのではなくて、コミュニケーションを取ってともに仕事をするスタンスです。最初の日からプレーモデルを導入して選手がパフォーマンスを発揮する手助けをするのが私たちのアイディアです。ロティーナ監督とともに、最大限の努力をしてチームを向上させるために、この難しいリーグの中で競争力の高いチームを作るために働いていきたいと思います」

 それは、トニ・フィジカルコーチも同じ。「清水エスパルスの一員になることをうれしく思っています。充実したシーズンになるように精一杯頑張りたいと思います」と、よどみのない日本語であいさつし、東京V、ガンバ大阪、C大阪での経験を生かすつもりだ。

「重要なのは、初日から持っているフィロソフィーを導入していくことで、そのフィロソフィーを実現するために明確なコンセプトあり、選手がグラウンドで覚えていくことが重要です」

 チーム構築のロードマップを、そう表現したロティーナ監督。清水エスパルスの新しい冒険が、いよいよ始まる。


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