上写真=前日練習でも軽快な動きを見せていた安部柊斗(写真◎J.LEAGUE)
カギはオルンガへのパスをいかに断つか
2020年、安部柊斗はさまざまな経験をした。プロデビューを果たし、定位置をつかみ、プロで何年もキャリアを積み重ねてきた選手たちでさえ未経験の19連戦を体験。集中開催された過酷なACLを戦い、そして年末にはU-23日本代表候補合宿に参加している。2020年シーズンはいくつもの「初めて」を体験した。その最後に、充実の1年を締めくくるにふさわしい大一番、ルヴァンカップ決勝がある。
「やっぱり先制点を取るというところと、オルンガ選手、クリスティアーノ選手、江坂選手をどう抑えるかというのがカギになってくると思います」
柏戦のポイントは明快だ。相手の大砲をいかに抑えるか。安部はパスの出し手を封じることが重要だと語る。
「オルンガ選手の裏への抜け出しは脅威になってくるので、そこの対応は重要。あとはクリスティアーノ選手と江坂選手から縦パスがオルンガ選手によく通っているので、そこを出せないようにしっかり距離を詰めることが大事なるかなと思います」
ひと呼吸早く、あと一歩を寄せ切ることが勝敗を分けるカギだという。そして、それをやり遂げる自信が、安部にはある。積み重ねてきた経験と磨いてきた技術が十分に通用するものであると、年末に5日間の日程で参加したU-23代表候補合宿で改めて確認できたという。
「代表に初めて選ばれましたが、雰囲気やプレーのスピード、練習もすごくタフなものばっかりでしたけど、球際とか、やっぱり大事なるところを求められました。本当にサッカーの基本的な部分を教わったので、またこのチームで、自分が球際とかガツガツいって、勢いをつけられたなと思います。
(代表では)できないなとは思わなかった。合宿期間中は、東京で積み重ねてきたことがつながっているなとも感じました。たとえば、球際で勝つことであったり、走力という部分。そこは代表でも出せたかなと思います」
クラブにとっては通算3個目の聖杯。安部自身にとってはプロ初タイトル。獲得への思いは、強い。
「自分は今まで、大学時代に何個かタイトルを獲れていたんですけど、やっぱりプロになってのタイトルというのは数人の人しか味わえないと思いますし、プロで優勝するのは本当に難しいこと。また違った感情が出てくるんじゃないかなと思います」
「シーズンの最後の最後。みんなもそうだと思いますが、疲れは残っていても、チームの雰囲気はいいですし、柏に勝つという目標がある。良い感じで決勝を迎えられるんじゃないかなと思います」
安部柊斗は、今シーズンに得たものすべてを明日の柏戦にぶつける。