上写真=タイトル獲得へ、熱い思いを語ったクリスティアーノ(写真◎Getty Images)
柏とFC東京は似ている
「残り1試合。やるべきことは分かっています。今は選手それぞれが覚悟を持って、準備をしている状況です。自分自身も決勝で活躍できるように、準備を進めていきたい」
昨年末、トレーニングの合間に設けられたオンライン取材の機会に、クリスティアーノは「覚悟」を口にした。
「私、2015年からレイソルに加入していますが、これまでも準決勝まで行くなど、惜しい試合はいくつかあったと思います。ただ、今回に関してはあと1試合勝てば、タイトルに手が届く。昨年はJ2で優勝しましたけども、同じようにカップを掲げられれば、と思っています。監督とも冗談を言い合っているんですが、監督は毎年、タイトルを取っていると。だから今年も取れるぞと。勝利に向けてとてもいい雰囲気でチームとしても個人としても来ていると思います」
クリスティアーノが加わった2015年は天皇杯でベスト4。17年もベスト4で涙を飲んだ。18年には同じルヴァンカップでベスト4まで勝ち上がったものの、敗退している。あと少しのところで、決勝に進めなかったが、今回はファイナルにたどり着いた。タイトルへの思いは人一倍強い。
「決勝は他の試合とはまったく違うものになると思っています。その意味で、小さいこともケアして、フィジカルだけではなく、気持ちの部分でも、良い状態で迎えられるようにしたい」
勝負を分けるのは些細なこと。だから何一つ、疎かにしてはならないと言う。
「両チームは、似ている印象があります。だからこそディテールが勝敗を分けると思っています。アウェーのリーグ戦ではFC東京に勝つことができましたけど(30節、3-1)、気は抜けない。セットプレーとか、集中力が欠けた瞬間にやられるということも考えられるので、その点は気をつけて、試合に臨まなければと思います。守備が非常に堅いですし、カウンターに出てくるというところもわれわれと似ている。だからこそ、フィジカルだけではなくメンタルの部分も研ぎ澄まして試合に臨みたい」
今回の決勝は本来、昨年11月7日に開催される予定だったが、柏レイソルの選手とスタッフに新型コロナウイルス感染症の陽性者が相次ぎ、延期されることになった。コロナ禍という未経験の状況の中で、厳しい戦いを強いられ、それでも前向きに戦ってきた2020年シーズンのラスト。柏の選手、スタッフの思いをクリスティアーノは代弁した。
「タイトルは、全関係者にとって最大の喜びですし、1年を通して頑張ってきたことがそこに表れると思っています。自分はジャンケンでも負けたくない性格なので、絶対に、このチャンスを逃したくない。2020年に頑張ってきた結果がそこに表れることになりますが、同時に2021年のスタートにもなると思うので、いいスタートを切れるようにしたい。全選手が今、決勝でプレーしたいと思っています。その気持ちをぶつけて、タイトルを取りたい」
新しくなった国立競技場で開催される初めてのルヴァンカップ決勝。クリスティアーノは新王者になると誓っている。