上写真=手倉森誠監督は2年間、V・ファーレン長崎を率いた。その経験も古巣に生かす(写真◎Getty Images)
「東北人の底力を見せるために」
「この度、ベガルタ仙台の監督に再び就任することとなった手倉森誠です。東日本大震災発生から10年目となる来シーズン、チームを率いることは様々な出来事とタイミングが重なったものであり、天に導かれたのだと感じています。
今シーズン苦しんだベガルタ仙台を立て直す責任を持ち、常々話していた被災地・東北の希望の光、復興のシンボルになるべく、もう一度、舵を取ります。東北人の底力を見せるために、みなさまの力が必要です。また共に戦ってください」
手倉森節でさっそくサポーターにあいさつだ。12月29日、手倉森誠氏がベガルタ仙台の監督に就任されることが発表された。2004年から3年間はコーチ、07年から1年間はヘッドコーチ、そして08年から6年間、監督として率いた闘将が8年ぶりに帰ってくる。
コメントにも「タイミングが重なった」とあるように、昨季からV・ファーレン長崎を率いていたものの、12月18日に退任が発表されてから11日での就任発表。退任会見では「退任と発表されましたが、解任です」と明かしていたが、その際に今後の展望としてこんなことを話していた。
「この2年間、長崎発展のためにばらまいた言葉をぜひ長崎のサッカーの発展に役立ててもらいたいと思うし、全国に散りばめていきたい、手倉森節をね。いろんなクラブを渡り歩く指導者になっていければと思います」
そう言って笑顔を見せていたが、「いろんなクラブ」の最初の縁が古巣と結ばれた。
仙台は今年、経営問題や不祥事の発覚などで大きく揺れた。仕切り直しの第一歩を力強く踏み出すべく、現場の先頭に立つ手倉森監督の手腕に期待が集まる。