明治安田生命J1リーグ第34節が12月19日に各地で開催され、埼玉スタジアムでは北海道コンサドーレ札幌が浦和レッズに完勝し、4試合ぶりの勝利での締めくくり。一方、浦和は3連敗でシーズンを終えることとなった。

上写真=アウェーでの最終節勝利を喜ぶ札幌の選手たち(写真◎J.LEAGUE)

■2020年12月12日 J1リーグ第32節(@埼スタ観衆19,319人)
浦和 0-2 札幌
 得点:(浦)なし
     (札)駒井善成、田中駿汰

・浦和メンバー◎GK西川周作、DF岩波拓也、鈴木大輔(65分:青木拓矢)、橋岡大樹、MF山中亮輔、岩武克弥(77分:武田英寿)、エヴェルトン(65分:阿部勇樹)、汰木康也(77分:宇賀神友弥)、FW杉本健勇、興梠慎三(30分:武藤雄樹)
 ※実際のポジションで表記

・札幌メンバー◎GK菅野孝憲、DF田中駿汰、キム・ミンテ(60分:高嶺朋樹)、福森晃斗、MF金子拓郎(77分:白井康介)、深井一希、宮澤裕樹、ルーカス・フェルナンデス(67分:菅大輝)、アンデルソン・ロペス、駒井善成(67分:ドウグラス・オリヴェイラ)、FWジェイ(77分:早坂良太)

元浦和の駒井が先制ゴール

 敵地に乗り込んだ北海道コンサドーレ札幌は、序盤からテンポ良くパスを回し、浦和レッズを圧倒した。ほとんどの選手が敵陣に入り込むハーフコートゲーム。ボールをサイドに展開し、右からは金子拓郎が縦に仕掛け、左からはルーカス・フェルナンデスがカットイン。後方から宮澤裕樹の縦パスがよく通り、ジェイ、アンデルソン・ロペスは前線でうまく基準点を作っていた。

 圧巻だったのは攻守の切り替えの速さだ。敵陣でボールを失っても、すぐさま奪い返す。今季、積極的に取り組んでいた前からのプレスが面白いようにはまった。元浦和のMF駒井善成がプレスの急先鋒となり、敵陣で相手のボランチにことごとく食いついた。
 
 札幌のペースはずっと変わらなかった。後半に入っても、次から次へとチャンスを作る。0-0で迎えた52分、スピードあふれるカウンターからアンデルソン・ロペスが右サイドのオープンスペースに抜け出し、ぐんぐんとボールを運んだ。ゴール前で3対2の数的優位を作ると、一瞬で判断を下す。左サイドでフリーになっていた駒井へラストパス。仕上げはそれほど難しくなく、駒井は落ち着いてゴールへ流し込んで先制する。
 
 1点リードを奪ってからも、札幌は攻撃の手を緩めない。67分にはドウグラス・オリヴェイラと菅大輝を投入。フレッシュな2人のアタッカーが入ったことで、攻撃はより活性化し、2点目を狙いにいく姿勢がありありとうかがえた。
 
 85分にはCKの流れから、3バックの一角に入るDF田中駿汰が狙いすましたミドルシュートでゴールネットを揺らし、勝負を決める。試合後のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は満面の笑みを浮かべていた。

「今日は内容を含めて勝利することができた。良い兆候が見えたゲームだった。成長した証を見せることができたと思う」
 
 黒星が先行する苦しいシーズンとなったが、手応えも得たようだ。

「今季は内容が良くても勝ち点を稼げない試合が多かったものの、この苦い経験を積んだことでチームは成長できた。次につながるシーズンとなった。来季は、よりアグレッシブに、よりスピーディーに、よりインテンシティの高いサッカーをする」

 12位となった糧を生かし、来季は巻き返していくはずだ。

 一方、ホームの浦和は厳しい現実を突きつけられた。3連敗で終わり、10位でフィニッシュ。目標のAFCチャンピオンズリーグ出場圏内には遠く及ばず、ファン・サポーターもフラストレーションを溜めているようだった。最後のセレモニーでは、手厳しいメッセージの横断幕がいくつも掲げられた。

<浦和を背負う限り毎シーズン、優勝を求めろ。這い上がれ浦和>
 
 すでに大槻毅監督の退任が決まっており、来季は指導陣を刷新する。新体制の下、必死にはい上がっていくしかない。

現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE、Getty Images


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