上写真=10番を背負ってチームをけん引する倉田(写真◎J.LEAGUE)
■2020年12月16日 J1リーグ第33節(@ニッパツ:観衆3,898人)
横浜FC 0-2 G大阪
得点:(G)倉田秋、パトリック
ボール保持率の低さを危惧
開始25秒で奪った電光石火の先制点。起点は倉田のボール奪取からだった。横浜FCの最終ラインからのロングボールをハーフウェーライン付近でカットし、拾った山本悠樹が素早く前線へ。ゴール前に走り込んだ倉田は渡邉千真からパスを受けて右サイドへ流し、最後は矢島慎也のシュートのこぼれ球を押し込んだ。
ゴールは9月27日の第19節サンフレッチェ広島戦以来。「今年はまだ3点しか取れていなかったし、前のゴールから今日まで時間が空いていたので、早く取ってチームに貢献したいと思っていた」という倉田の今季4ゴール目が決勝点となった。
この日も主力の宇佐美貴史、井手口陽介、小野瀬康介らが欠場するなど、過密日程の影響で多くのケガ人を出しながら勝ち取った2位の座。倉田は「こんなに中断したのは初めてだし、ケガ人が多くてここまでメンバーが変わって戦うのも初めて。いろんなことがあったシーズンだった」と振り返りつつ、「今年は選手同士で喋ることが多かった。チームが一つになって戦った結果、2位になれたと思っている」と語った。
だが、課題も多い。この日の試合でも終始、横浜FCにボールを支配され、守勢に回る時間がほとんどだった。「今日も保持率は35%くらい。やっぱり少なすぎるので、もうちょっと自分たちでボールを保持して攻める時間を増やしていきたい」と倉田。天皇杯で勝ち進めば決勝で川崎フロンターレと対戦する可能性が高いが「今のままではダメ」と危機感を募らせ、「また中2日で試合があるので、しっかり改善してみんなで戦っていきたい」と、まずはホームでのリーグ最終戦(19日)に向けて気持ちを切り替えた。
取材◎多賀祐輔