横浜FCの下平隆宏監督は15日、オンラインで取材に応じ、明日16日のガンバ大阪戦へ向けて意気込みを語った。勝てば15位以上が確定する試合に、三浦知良のメンバー入りを明言。勝利を目指して全力で戦うと誓った。

上写真=下平監督は明日16日のガンバ大阪戦にカズの起用を明言した(写真◎Getty Images)

1勝すれば目標の『残留圏』が決まる

 明日16日のガンバ大阪戦は、横浜FCにとって非常な重要なゲームになる。通常年ならJ1は15位以上が残留。16位は『入れ替え戦』に回り、17位と18位がJ2に自動降格となる。今季は降格なしだが、15位以上を一つの目標にして戦ってきた。

 現在横浜FCは15位で勝ち点30。16位の湘南が26。17位の清水が25で18位の仙台が24。残り2試合の結果いかんで、順位を下げることもあり得る状況だ。一方で1勝すれば、15位以上を確定できる。

「それについては休み明けに選手たちに言いました。『残留圏』をしっかり確保しようと」

 下平監督は、選手たちとも残り2試合の重要性を共有していると話した。次戦のガンバ大阪は現在2位。難敵であるのは間違いない。

「スカウティングしていてもそうですけど、今は相手うんぬんではなく、自分たちの力を出せれば五分五分のゲームができるのかなという印象です。そういう意味では相手に関係なく(ガンバ戦も)臨みたい。もちろんガンバは(来季の)ACLや(今季の)天皇杯出場が勝敗にかかわってくるので、非常にモチベーション高く来ると思いますが、われわれは自分たちの目標に向かって戦うだけなので、そこだけに集中していきたい」

 15位以上確定は残り2試合のうち1勝すれば自力で決まる。ただし、最終節は横浜F・マリノスとの横浜ダービー。どちらも難しい試合だ。一戦必勝で、まずはガンバ戦に臨む。

「いまガンバをけん引しているのは間違いないくパトリックだと思います。高さのある攻撃、ハイボールでもしっかり収めて起点になって、彼のところから攻撃してくる。宇佐美(貴史)選手もそうですが、2トップには十分に気をつけないといけないと思っています。あとは左の藤春廣輝から良いボールが上がってくるので、そこも注意したい」

 注意を払いつつ、いかに自分たちの持ち味を出せるかがカギを握る。そんな大一番について、指揮官はカズのメンバー入りを明言した。

「(中村)俊輔はケガしているので、出られません。カズさんに関してはベンチかスタートかはまだ分かりませんが、ベンチに入るのは間違いないと言っておきます」

 一美和成がレンタル元であるガンバとの試合に出られないため、FWがひと枠空くという事情もあるが、何よりカズの存在はチームにポジティブなものともたらすと下平監督は説明した。ウォーミングアップ時の振る舞いやロッカールームでの言動によって、引き締まり、モチベーションもグッと高まるという。

「ピッチに立ってもらって、これは僕もそうですし、カズさん本人もそうですし、クラブの人間も、あとはカズさんを応援している日本国民もそうだと思いますけど、得点を取ってほしいと思っています。できれば、出場するだけではなくて、最年長得点記録というものを伸ばしてほしい。それはいつも思っているので。そういったチャンスがあったり、チャンスが来ることを願っています。
 53歳という年齢になって、J1で得点というのはおそらく、今後、誰にも破られない記録だと思う。それができる存在ですし、そういうチャンスもまだまだあると思うので、そういうチャンスがあればものにしてほしいです」

 横浜FCにとって重要な一戦は明日19時、キックオフ。カズゴール、15位以上確定というシナリオを描き上げることはできるか?


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