FC東京は6日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16で北京国安と対戦し、0-1で敗れた。前半から何度もチャンスをつかんだが決めきれず、惜敗。通算3度目の挑戦も8強の扉を開けなかったが、個々の選手にとっても、チームにとっても、今大会で得たものは多い。アジアの舞台を戦ったFC東京の選手たちの言葉を紹介する。

上写真=北京国安の選手のボールを奪いにかかる東慶悟(写真◎F.C.TOKYO)

アジアで知った現実は未来への糧

 11月18日のJ1仙台戦で約4カ月ぶりにケガから復帰し、そのままカタール入りしてACLw戦ったキャプテン、東慶悟の言葉。

「チームとしては3度目で(ラウンド16)、何とか次のラウンドへとみんな全力を出して頑張りました、でも、最後の1点を取れず、逆に取られてしまうというところで、そこは差がなんだと感じました。しっかり受け止めて、次に進んでいきたいと思います。
 1試合でも多くここでやりたかったですし、今は本当に悔しいですけど、個人としてはケガから復帰してこっちに来て、試合をできる喜びを改めて感じました。いい経験で終わらしたくはないですが、こういう集中開催で、これだけの試合をこの雰囲気でというのはなかなかないおと。それをプラスに変えていかないといけないと思います。
 まだリーグ(J1)も試合が残っていますし、年明けにはルヴァンカップの決勝もある。あと3試合、しっかりやれるようにこの経験を生かしたい。成長した姿を見せたいと思います」

 前回、FC東京がACLに出場した2016年大会も、東は出場し、悔しい思いを味わった。今回、リベンジはならなかったが、アジア8強の扉を開き、歴史の創造者となることを改めて胸に誓うことになった。東と同様に前回の2016年大会、そしてチームが初出場した2012年大会も戦っている森重真人は、以下のように大会を振り返った。

「優勝したかったんで、悔しい。それだけです。そんなにチーム力の差はないと思いますが、レベルが高くなればなるほど、最後のところは個人の能力の差になってくる。それを改めて感じられたのは、若手にとってもチームにとっても、この先、何をしなければならないのかという点で、良い教訓になったとは思います。
 個人のところの勝負で、ベスト16でいつもやれている。そこを打開しない限り、ここから上はいけないと思います」

 本来のCBとしてだけではなく、大会途中からはアンカーも務め、チームのために一意専心、勝利を目指して戦った森重は、これから何をすべきか、その指針を多くの選手が持つことができた大会になったと指摘した。悔しさはもちろんあるが、その思いを引きずってばかりもいられない。帰国後の12日にはJ1の広島戦があり、19日は神戸戦が控える。さらに来年1月4日には柏とのルヴァンカップ決勝が待っているからだ。

 FWの永井謙佑は、言った。

「ああいう時間帯でしっかり守らないといけないということと、相手は一発を持っているので、そういうところでやれないようにチームとしてやらないといけない。うちも何本かチャンスがあった中で、そこで決めきれないというのが痛かった。そこがやっぱり(ラウンド16を)突破できない差かなと。
 今シーズンは残り3試合あるので、日本に帰って、しっかりやりたい。ルヴァンカップ決勝に向けてこの大会がプラスであったことを感じられるようにやりたいと思います」

 今回のハードでタフなACLでの戦いを意味のあるものとするには、『その後』が大切だ。チームにとっても個人にとっても、プラスであったことを証明したいと永井は話した。

 ラウンド16の北京国安戦で、今大会初先発を果たしたのが、FW原大智だ。90分間、前線で精力的にプレーしたが、ゴールを生み出すことはできなかった。悔しさをにじませながら、足りないものを実感したと振り返った。

「自分も含めて、どちらが入れてもおかしくない展開だったし、すごく僅差だったので悔しいです。ただ、一人ひとりの力はまだまだ相手の方が上だったと思う。最後の勝負強さも足りなかった。失点から時間もありましたし、チーム力が、自分も含めて強さがなかったと思います。
 これが実力だと思いますし、クラブの新しい記録を作れなかったのは事実。すごく悔しいですが、個人としてこの悔しさを忘れずに今後のサッカー人生につなげたいです」

 これが今の現実であり、実力。ただ、ここからそれはいかようにも高めていくことができるもの。21歳のFWがその必要性をこのタイミングで実感できたことは大きいだろう。チームを勝たせられる存在になると、試合後には強く誓っていた。

 大卒ルーキーの安部柊斗は、今大会で強い印象を残した。再開初戦の上海申花戦で先発し、豊富な運動量でチームを支え、グループステージ第4節の上海申花戦との再戦では決勝点もスコアした。北京国安戦も先発フル出場を果たしている。

「北京戦はみんなのモチベーションも高くて、良い雰囲気で入れたんですけど、勝つことができなくて、チームとしても個人としても残念な結果になりました。やっぱり、シュートを打つ回数が少なかったし、もっと積極的に狙っていかないとゴールは入らない。自分自身、もっと個ではがしたり、クロスもえぐってからだったり、工夫が必要だったのかなと思います。
 自分は今年プロ1年目ですが、その1年目でACLに出られて、すごくいい経験になったし、自分自身でいろんなものを感じる大会でもありました。今シーズンはまだ、Jリーグ2試合とルヴァンカップ決勝という大きな舞台が控えている。このACLで得たタフさとか、そういうものを出していきたいと思っています」

 カタールで戦った5試合が、チームに何を残したのか。その答えを、FC東京の選手たちはこれからの戦いで示していくことになる。


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