FC東京はACLのグループステージ第5節で蔚山現代に敗れたが、直後の上海申花対パースグローリーが引き分けに終わり、順位を逆転されることなく2位のまま最終節に臨むことになった。敗戦を反省し、次戦に挑むと語っていたGK波多野豪の背中を押す報せになったに違いない。

上写真=カタール入り後の3試合すべてで先発しているGK波多野豪(写真は第4節◎Getty Images)

■2020年11月30日 ACL第5節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
FC東京 1-2 蔚山現代
得点:(F)永井謙佑
   (蔚)ユン・ビッガラム2

チームを助けられなかったのは僕の実力

 蔚山現代との大一番に臨んだFC東京は、素晴らしい立ち上がりを見せた。開始2分に相手のクリアミスを逃さず、永井謙佑がゴールをスコア。欲しかった先制点を手に入れ、早々にリードを奪った。ところが、早すぎる得点だったためか、アグレッシブさを出し切れず、相手の攻めを受ける形になってしまう。ボールを持たれて、守る時間が長くなった。

 それでもゴールは許さず、守備陣は高い集中力を保っていた。GK波多野も12分のイ・サンホンの鋭いシュートをキャッチし、クロスにもしっかり対応した。しかし、前半の終了間際についにゴールを許すことになる。自陣右サイドで攻撃が詰まり、中村帆高がボールを奪われると、中央に展開されたところで、ジョアン・オマリがユン・ビッガラムを倒してFKを与えてしまう。これをそのユンに直接決められた。波多野は一歩も動けず。ボールの行方を見つめるほかなかった。

 後半途中から蔚山は195センチの長身FWヨハンソンを投入し、上からの攻めの圧力を増す。FC東京の守備陣も渡辺剛とオマリの2CB、アンカーに入った森重真人で跳ね返していたが、最終ラインを押し上げることが難しくなっていた。そして85分、自陣左サイドからボックスに進入され、またもユン・ビッガラムにゴールを決められる。試合終了間際に、逆転されることになった。

「相手のチャンスは少なかったですけど、チームを助けられなかったのは僕の実力ですし、次は結果を出せるように、またいい準備したいと思います」

 波多野はそう言って試合を振り返った。シュートの瞬間、FC東京の守備陣は誰も寄せられず、完全に後手を踏んでいた。

「きょうは相手も途中から大きい選手が入ってきたりとか、9番のパワーがある選手(ネグラン)がいた中で、クロスボールが上がってきたので、そこは狙っていこうと思っていました。そういうところはチャレンジできたのでよかったですけど、結果的に2点やられている。そこは整理していきたいと思います」

 GKとして悔しさの残る敗戦だった。この結果、FC東京はグループステージ(GS)突破が難しくなったと思われた。実際、波多野も「勝てばまだまだチャンスはあると思うので、反省して、もう1回、高いモチベーションでフルパワーで挑みたいと思います」と話し、長谷川監督も「非常に難しいと思うが、チャンスが残っている以上、最後までベストを尽くす」と、試合後には前向きになるべく、コメントしていた。

 だが、直後に行なわれたグループ3位の上海申花と未勝利で最下位のパースグローリーの試合が、3-3の引き分けに終わった。FC東京は得失点差で上海申花を上回り、2位のまま、GS最終節を迎えることになった。蔚山戦終了直後には難しいと思われていた状況から一転、自力によるGS突破が可能になったのだった。

 波多野は蔚山戦で出た課題を整理して最終節に臨みたいと話していたが、その試合は16強入りをかけて戦う極めて重要な一戦となった。決戦の日は12月3日、相手はパースグローリー。今度は無失点でチームを勝利に導き、ラウンド16への切符をつかむーー。

■グループF順位表(5節終了時点)
1 蔚山現代(勝ち点13/4勝1分け/得失点6)※16強進出決定
2 FC東京 (勝ち点7/2勝1分け2敗/得失点0)
3 上海申花(勝ち点7/2勝1分け2敗/得失点-1)
4 パース・グローリー(勝ち点0/1分け4敗/得失点-5)


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