上写真=27日の上海申花戦で相手の悪質なファウルによりディエゴ・オリヴェイラ(右)は負傷した(写真◎Getty Images)
「検査はこれから。大会運営と相談中」
上海申花とのグループステージ第4節に勝利した翌日、現地カタールで長谷川健太監督が取材に応じた。後半開始早々に相手の危険なスライディングを受け、担架に乗せられて負傷交代したディエゴ・オリヴェイラの状態について説明した。
「詳細は検査しないと分からないですが、通常の歩行ができていない状態。移動は車いすを使いながら、やっています。相当にひどいケガを負ったんじゃないかと思っています」
悪質なファウルであるのは誰の目にも明らかだった。ドリブルで進むD・オリヴェイラに対して、上海申花のチン・ションが後方からスライディングを仕掛け、無防備な右足に向かってスパイクした。日本の基準で言えば、否、世界のどのリーグであっても一発退場が妥当な反則だろう。だが、サレー主審が提示したのはイエローカードだった。
大会を主催するAFCは、選手を守るという観点から、しっかりと今回の件を受け止める必要がある。間違っても選手生命を脅かすような反則を野放しにするようなことがあってはならない。アジアナンバーワンクラブを決める大会は、アジア最高峰の戦いを見せる舞台であるべきだろう。
「まだ腫れているので、それが引いてから明日以降の検査になると思います。(コロナ禍で)管理されている状況の中で生活していますので、そこからいったん離れるとなると、またPCR検査等々含めて、この集団に戻す作業が必要になってくる。そのあたりの手順をいま大会運営のほうと確認しています。希望的な観測で、骨とかに異常がない場合は、もしかしたら最後の最後に可能性があるというとのドクターの話ですが、それも検査しないと詳細は分からない。ひどい場合には、ルヴァンカップ決勝も難しくなるんじゃないかなとも思いますし、検査しないと、何とも言えないです」
長谷川監督によれば、そんな厳しい状況の中でもD・オリヴェイラ本人は宿舎で努めて明るく振る舞っているという。
「今季の軸であることは間違いないですが、彼がいなくなったと落ち込んでいる時間はないと思っています。ディエゴもそれを望んでいない。彼自身も非常に明るく振舞っていて、食事会場なんかではこちら側に気をつかわせないようにしてくれています。彼のためにもしっかり戦っていかないといけないと思っています」
検査の結果がどうなるかは現時点で分からない。いまチームとしてできるのは、本人が戻ってくる可能性を高めるために、1日でも長く大会に残り続けること。D・オリヴェイラのために、チームは一丸となって前に進もうとしている。