11月25日、明治安田生命J1リーグは第29節が開催され、鹿島アントラーズは柏レイソルとカシマスタジアムで対戦。前半に先制点を奪われ、後半早々にオウンゴールで同点とするも、その後3失点。ホームで今季最多4失点を喫し、手痛い敗戦となった。

ホームで柏に大敗し、肩を落とす鹿島の選手たち。カシマスタジアムでは14戦中、いまだ6勝しかできていない(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月25日 J1リーグ第29節(@カシマ:観衆4,327人)
鹿島 1-4 柏
得点:(鹿)オウンゴール
   (柏)北爪健吾、オルンガ、クリスティアーノ、神谷優太

残り3試合。「最後まで貫くことを、もう一度」

 痛恨の1敗となった。目標とする2位の座に就くために、ホームで戦う今季リーグ戦のラスト4試合で4連勝を目指したが、その初戦となった柏戦で早くも敗北。鹿島よりも残りの試合数が1つ少ない2位G大阪、3位名古屋との差を縮めることができず、2試合少ないC大阪には勝ち点で並ばれ、得失点差で上に立たれた。鹿島は今節で5位に後退した。

 結果だけを見ると、1-4の大敗。だが、後半30分から3失点するまでは、鹿島にも勝機があったと言えるだろう。前半から柏陣内に攻め込み、先制を許してからも一度は同点に追いついた。後半30分までの攻防の中で先に2点目を奪っていたら、結果は異なるものとなっていたかもしれない。しかし、指揮官はそんな試合展開にも納得がいかない様子だ。

「まず問題として、どちらに転がってもおかしくない状況になっていることがおかしい。それを直さないといけない。ホームというのは自分たちが8割、9割がたゲームをコントロールして、勢いを持って相手に圧力をかける。それがホームのアドバンテージ。それがなかなかできていない。改善していかないといけない」

 ザーゴ監督は語気を強める。ホームで負けや引き分けの結果に終わることは許されない。それどころか、ただ勝つだけでも満足はできないのだろう。指揮官が求めるのは、試合内容も結果も対戦相手を凌駕するようなゲームだ。

 ただ、理想とは裏腹に、今季はここまでホームゲームの勝率が低い。アウェーでは10勝7敗(勝率59%)なのに対し、ホームでは6勝4分け4敗(勝率43%)だ。「シーズン当初からだけでなく、昨年からなかなかホームで良い成績を残せていない。アウェーでは安定した成績を残しているけれど、ホームではできない」と、ザーゴ監督も問題視する。

 シーズンの中盤戦に11年ぶりの7連勝を達成したときも、5試合がアウェーゲーム。そして、連勝が止まったのもホームゲームだった。序盤戦でつまずき、一時は最下位に沈んだとはいえ、それから巻き返して浮上してきた。ザーゴ監督が理想とするように、ホームで無類の強さを誇示できていれば、さらに上の順位に位置していたことだろう。だからこそ、指揮官は残りの3試合と来季に向け、早急に問題解決に向かう。

「気持ちなのか、緊張なのか、それ(ホームで勝率が低い要因)を僕はまだ探っているところで、まず改善しないといけない。今日も立ち上がりの早い時間帯で、先制点を取るチャンスがありながらも決められなかった。相手はカウンター1本を狙っているのは分かっていたし、そういう相手に先制点を与えてしまえばもっと引かれてしまう。自分たちから苦しい状況になってしまいます。いくら勝ちたくても、自分たちからバランスを崩すことを僕は好んでいない。(鹿島の)やり方を最後まで貫くことを、もう一度(選手たちに)強調したいと思います」

 ホームで強い鹿島へと生まれ変わるために。本拠地カシマスタジアムで戦う浦和(11月29日)、清水(12月12日)、そして上位を争うC大阪(12月19日)とのラスト3試合は、チームにとっての試金石となる。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


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