上写真=カタールで上海申花戦に向けてトレーニング中の長谷川健太監督(写真◎FC東京)
1試合を戦って手応えはあります
24日の上海申花戦は悔しい結果だった。チャンスを作り、相手ゴールに迫ったものの、無得点に終わった。守備でもロングボールを多用する相手の攻撃にうまく対応しながら、一瞬のスキを突かれてPKを献上。0-1で敗れることになった。
試合翌日、現地カタールで取材に応じた長谷川健太監督が、改めてゲームについて振り返った。
「初めてACLを戦う選手もいた中で、とくに前半はチームとしても久しぶりのACLということもあり、難しかった。もっとやれるとは思っていたんですが、自分の力を発揮できなかった選手も何人かはいたかなとは思います。ただ、前半の終わりくらいから徐々にいい形を作れたとは思っています」
「レフェリーも含めて、若干基準が違う。上海との試合でも放り込まれて、セカンドボールの処理のところでPKを取られましたが、中村帆高も、その瞬間は手で引っ張ってはいないとは思うんです。ただ、手が下がって触れているということでそういうジャッジになった。あの辺のプレーについては、彼なんかは初めてのACLですし、もう少し強い喚起が必要だったかもしれない」
試合直後の会見で「試合に入れなかった選手もいた」と話したように、Jリーグとは大きく異なるACL独特の雰囲気やレフェリングにアジャストできない選手がいたのは確かだった。それこそが国際試合の難しさと言えるだろう。ただ、指揮官は選手たちがACLの1試合を実際に経験したことをポジティブにとらえ、すでに次へと目を向けている。
「1試合、実際に戦ったことで手応えはあります。上海申花とは2戦連続で当たりますし、今回のレギュレーションはアウェーゴールというものがない。ですから180分間の対戦成績で上回ることができれば、自分たちでこの状況を変えることができると思います」
前回の試合が前半戦。明日27日に臨む上海申花と試合が後半戦。2試合180分を前後半と考えれば、まだ前半90分が終わっただけ。グループステージ3節を終えて、グループFの3位に後退したが、自らの力でまだまだ道を切り開くことができる。
今回の試合では途中からCBだった森重真人をアンカーに配し、その背後に渡辺剛とジョアン・オマリの2人のCBを並べた。そのフォーメーションについて長谷川監督は「橋本(拳人)が移籍して以来、森重にも少しずつ話はしていて、トレーニングの中では何回かやっている」と説明。アジアの戦いで高さを武器とするチームが多いために、ロングボール対策として採用したという。実際、何度も相手の攻撃を跳ね返し、ゲーム終盤は安定した守備から攻撃につなげるシーンも見られた。前回の試合で得た手応えの一つだろう。
また、相手のマンツーマン気味の守備についても、ボールの循環点を抑えられたことを反省。自軍のボールホルダーが相手の守備者を一人外せば、チャンスが一気に広がることを改めて確認し、チームとしてしっかり次戦に臨む準備を整えている。
「残り90分で自分たちが有利な状況に持っていけるように戦おうという話を選手にはしています」
決勝トーナメント進出に極めて重要となる後半の90分は、日本時間27日、22時にキックオフされる。