上写真=86分にゴールを挙げてこの充実の表情。中村慶太の今季初ゴールが決勝点になった(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月14日 J1リーグ第27節(@アイスタ:観衆6,076人)
清水 3-1 C大阪
得点者:(清)ヘナト・アウグスト、中村慶太、カルリーニョス・ジュニオ
(C)清武弘嗣
「やっと取れたという感じです」
「ホームで勝つことがうれしいので、自分のゴールでそれができてよかったです」
スタジアムに訪れたサポーターに最高の報告だ。中村慶太、今季初ゴール! そして、苦しんだチームが今季初の連勝!
「うまくワンツーで中に入り込めて、(左からファン・)ソッコがいいタイミングで上がってきたんですけど、相手が外に引っ張られていたので打ちました。いいコースに行ってよかったです」
1-1に追いつかれたあとの86分だった。こぼれ球をつないでもらった中村はドリブルで持ち出してから中央のカルリーニョス・ジュニオに預けると、そのままリターンをもらい、左足の少し外側にさらしてから角度をつけるようにして左足で逆サイドへシュート、これがGKキム・ジンヒョンの左手の先をすり抜けるようにしてゴール右に滑り込んだ。
「今年は点が取れていなかったので、やっと取れたという感じです。監督が代わってサイドハーフで出番が来るようになったので、ゴールやアシストを求められるようになっています。今日決めて一安心しています」
そんな率直な感想をサポーターに届けたが、ピーター・クラモフスキー前監督が職を離れたことに責任を感じている。
「僕たちがなかなか勝てなくて、ピーターを解任させてしまった(クラブ発表は契約解除)ことに責任を感じています。ボールを保持するサッカーが好きだったので、結果を残したかったけれど出せなくて。平岡(宏章)さんに代わって戦う部分、危機感、反骨心がいまの結果に表れています。2勝できましたけど、甘えを出せばまたすぐに悪い方向に向かってしまいます。課題はまだまだあるので克服して、仕上げられればいいと思います」
この日もセレッソ大阪に前半からボールを回され、奪っても自分たちのパスミスで奪い返されるというパターンのループにはまってしまった。
「相手は立ち位置にこだわる監督ですし、規律がある中で、うまくディフェンスではめられたときに逆を取ったりフォローの質でゲームをコントロールできませんでした。90分を通して作り上げたシーンはほとんどなかったのが課題です」
それでも勝ったのは収穫だろう。中村は後半開始から登場して流れを変えたが、「監督も口酸っぱく戦う姿勢について言っています。1対1になったところでメンタルが揺らいでしまって複数失点というのがいままででしたけど、いい意味で割り切って、焦らずにいままで通りやろうと。チャンスをものにできて良かった」と笑顔を見せる。
ここから上昇していかなければならない。中村にはそんなチームを引っ張る決意がある。だからこそ、連勝直後にあえての苦言を口にすることができる。
「まだまだていねいにやれる部分はあるし、雑だなと感じる部分がたくさんあります。もっと厳しい声を出していきます。ボールを持って主導権を握るスタンスを平岡さんも目指しているので、頑張っていきたい」
写真◎J.LEAGUE