FC東京にとって、明治安田生命J1リーグの残り試合はわずかに5。そのうち、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に向かう前の最後のホームゲームを11月11日に戦う。ここのところ4連敗と苦しむが、永井謙佑の一発で東京らしさを取り戻したい。

上写真=ルヴァンカップ決勝延期という事態にも、永井謙佑は「気にしていない」とさらり(写真◎F.C.TOKYO)

「あとは決める部分だけだと思っている」

 FC東京は突然の「中10日」を過ごした。ご存知の通り、11月7日に予定されていたJリーグYBCルヴァンカップ決勝が延期となり、前節川崎フロンターレ戦から次節北海道コンサドーレ札幌戦の間で、10日間の時間ができた。

 こうした予定外の状況にも、永井謙佑は慌てることはない。

「残念ですけど、切り替えてやるしかないんでね。オフもいただいて切り替える時間もありましたし、特に気にしていないですね」

 でも、も、しかし、もなく、状況を受け入れてやるべきことをやる。そしていま、やるべきこととは、札幌戦に向けた準備だ。

 何しろ、現在はリーグ4連敗中。2013年のJ1で第3節から第6節までで喫した4連敗以来の不名誉な状況だ。J1でのクラブワーストは2005年と2006年に記録している6連敗だが、とにかく次で止めなければならない。

「オフを挟んでいいトレーニングができたので、明日のホームゲームで勝ちたいですね」とするのは、これがACL前の最後のホームゲームだということもある。続く名古屋戦と仙台戦はアウェーゲーム。だからこそ、勝ちたい。

「先制点を取らないといけないと感じていますし、今週はすごくいい準備ができているので、シュート練習でゴールを取る意識づけができています。勝ちにこだわってやっていきたいと思います」

「試合を通してチャンスはあるんでね。でも、決めきれないでズルズルいって失点するのが続いています。前線が決めれば勢いは戻ってくるし、東京らしいサッカーも戻ってきます。だから、先制点にこだわっていきたい」

 そのためにも、永井のゴールが見たい。今季はまだ3得点ということが意外だが、もちろん、本人が一番納得できていない。

「ボールの引き出し方をもっとこだわってやらないと、と思っています。ゴール前で落ち着くことが大事で、マリノス戦で僕がふかして外しているので、そういうところを冷静にしたいと思います」

「あとは決める部分だけだと思っているので。4戦負けていますけど、前線の僕たちが決められていないのが課題なので、今季は得点にこだわった部分でスタートしていますし、得点を取って連敗から脱出したいです」

 何もかもがうまくいかない4連敗ではなく、一つ決まれば大丈夫、という前向きな精神状態だということだ。だからその口調に悲壮感はない。

「最近、札幌さんも違う戦い方をしてきたり、前線にごつい選手がいたりしますが、うちがやることは変わりません。相手を意識していないので、うちの良さにこだわりたいと思います」

「間延びすると相手の良さが出る可能性が高くなると思うので、コンパクトにして戦いたいです。もちろん、ファストブレイク(速攻)できるときはチャレンジしてやっていきたい」

 永井が今季決めた3ゴールのうち、最初の2ゴールは先制点。もう一つは追加点で、当然かもしれないが、すべて勝利につながっている。札幌を相手に5試合ぶりの今季4ゴール目を決めれば、勝利はグッと近づく。


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