川崎フロンターレの守護神、チョン・ソンリョンがオンラインで取材に応じた。3日、北海道コンサドーレ札幌に敗れ、今季リーグ戦で2敗目を喫したが、敗戦をしっかり受け止め、次への一歩を踏み出していた。

上写真=3日の札幌戦、中村憲剛は前半を終えて引きあげるチョン・ソンリョンを迎えた(写真◎Getty Images)

「優勝しか記憶に残らない」

 札幌戦の敗戦を引きずることなく、川崎フロンターレの守護神チョン・ソンリョンは、すでに気持ちを切り替えていた。試合の間隔が空き、リフレッシュできたこともプラスに働いたのかもしれない。

「切り替えはみんなでできていると思います。グラウンドでもそれは感じました」

 リーグ戦で2敗目を喫することになったが、「相手も中2日でしたが、うちのほうが疲れていたように見えました。僕ららしさが出せなかったと思います」と敗因について話す。フロンターレらしさを取り戻し、次へ向かう準備を進めていた。

「来週の週末まで時間があるので、グラウンドで監督とコーチングスタッフが望んでいることをしっかり消化し、準備していきたい」

 すでに気持ちは前を向いている。中村憲剛の引退発表によって、優勝への思いはさらに強くなっているようだ。加入5年目。長く在籍しているチョン・ソンリョンは11月1日の引退発表前に、中村に引退する旨を伝えられていた。

「(聞いた瞬間は)びっくりしました。引退する理由を飲み込めなくて、本当にまだまだできるコンディションだし、実力だと思いましたから。見て学ぶところも多いし、僕ら選手にとって、本当に大きな存在なので」

 衝撃はやはり大きかったという。それでも、直接思いを聞いて、理解しようと努めたと振り返った。

「5年前から考えていたというのを聞きましたし、本人の意思も大事ですし、尊重しないといけないと思いました。これからもフロンターレに対して、お互いに力になれるように、僕は(憲剛さんの)これからの活動を応援しますし、(人生が)よくなることを望んでいますということを伝えました」

 思い出を挙げたらきりがないという。加入直後から自然に接し、迎え入れてくれて、すぐにチームの一員になることができたと話す。そして引退を告げられた際に、中村憲剛に言われた言葉を明かした。

「僕から(この話を)話してもいいよ、と言われたんですけど…『ソンリョンの存在がすごく大きかった』と言ってくれました。『後輩たちを食事に連れて行ってくれたり、僕ができないことをソンリョンがやってくれたし、ソンリョンが来て優勝もできた。本当に感謝している。大きな感謝とリスペクトがある』と憲剛さんから伝えられました」

 尊敬する人に、リスペクトの思いを伝えられた。これほど素晴らしい関係もない。

「1日1日、練習もそうですけど、一緒にいる間は、学ぶことがあると思いますし、いろんな話をしながら、必ず、本当に必ず優勝したいと思っています」

 11日にあるガンバ大阪の試合、14日のガンバ大阪、セレッソ大阪のそれぞれの結果によるが、条件次第で次節、14日の鹿島アントラーズ戦で川崎フロンターレの優勝が決まる可能性もある。リーグ優勝を決めれば、その先には天皇杯も待っている。

「チームのために、みんな同じ気持ちだと思いますけど、僕らは他のチームの結果に関係なく、1試合1試合を決勝のように、優勝を目指して戦っていきたいと思っています。記憶に残るのは優勝しかないんです。僕は優勝も準優勝も経験していますが、準優勝は結局、(人々の)記憶には残らない。残るのは優勝だけです。そこに向かって、100パーセントの力で臨んでいくだけ。そうなれば、チームもみんなも、アップグレードしていくと思います」

 チョン・ソンリョンは一戦必勝で、全力を注ぐ。中村憲剛がいるフロンターレで最高の優勝を飾るためにーー。


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