上写真=今季、ここまで12試合に出場している松田詠太郎(写真◎J.LEAGUE)
アンダー代表に入ることはずっと目標
3日の横浜F・マリノスと鹿島アントラーズの対戦はJリーグで唯一、1993年の開幕から1部リーグで続くカードだ。19歳の松田詠太郎にとっては、生まれる前から1部リーグで戦い続けている名門クラブの対決になる。「毎回熱い試合になるし、小さい頃から見ていて、ここでプレーしたいなとすごく思っていた。出られるか分からないけど、そういうチャンスが目の前にあるのはすごく楽しみ」と、心を躍らせる。
鹿島については、「前線に特徴のある選手がいるし、若い選手も結構試合に絡んでいるので、警戒しないといけない。勢いのあるチームだなという印象」と語る。それもまた、鹿島戦が楽しみになる要素の一つだ。
鹿島では染野唯月に荒木遼太郎と、同い年のルーキーが早くも存在感を示している。松田も入ったU-17など、年代別日本代表に入ってきた選手たちだ。
鹿島の2人は今年に入ってU-19日本代表のキャンプに招集されているが、松田は今回、招集されなかった。「アンダーの代表に入ることはずっと目標にしているし、同世代とやることで刺激ももらえる」と、発奮材料に変えている。
荒木は開幕戦、染野は第2節でJ1デビューを果たしているが、松田は育成型期限付き移籍で、J3のSC相模原をスタート地点とした。8月には予定を繰り上げて横浜FMに呼び戻されたものの、その数カ月が代表招集に影響した可能性もある。
だが、松田は下を向かない。「この3カ月で成長したと思うし、プレーの幅も広がった。高いレベルでやっているので課題が見つかっている」と、大事に「今」を生きている。
代表に呼ばれなかったことに対しても、率直だ。「現状入れていないのは、自分に何か問題あるということだと思うし、もっと成長しないといけない。どの試合でも結果を出し続けることが一番のアピールになると思う」。鹿島戦も、その大事な場となる。
鹿島を勝ち点1差で追っている横浜FMとしては、順位を上げることができる大事な直接対決だ。その分、プレッシャーも増すが、松田はこう言い切る。
「緊張というより、楽しみで仕方ないという方が強い」
試合に向けては、「自分のやるべきことをやるだけだと思う。失敗しても何度もチャレンジして、果敢にドリブルやスルーパスで仕掛けること」。その意気込みが、試合も見ている者も、熱くする。
取材◎杉山 孝