上写真=木本恭生はボランチで先発、59分からはセンターバックでプレーした(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月24日 J1リーグ第24節(@埼スタ:観衆12,863人)
浦和 3-1 C大阪
得点者:(浦)興梠慎三、山中亮輔、マルティノス
(C)豊川雄太
「サイドチェンジができれば」
木本恭生の「ミスから失点して難しい失点になってしまいました。レッズの勝負強さや調子の良さに飲まれました」という第一声が、この日のセレッソ大阪を端的に表しているだろう。
前半は押し込まれながらも鮮やかな連係で冷静に食い止め、そこから相手の裏のスペースにボールを運んでチャンスを作ることができていた。その点ではC大阪のペースだったと言ってもいい。
しかも、28分には先制にも成功する。相手のゴールキックに競り勝った木本がヘッドで前線に送ると、豊川雄太が相手のブロックをものともせずに抜け出して、きっちりとゴールを送り込んだのだ。
問題はここからだった。6分後にはPKを与えて同点とされ、さらにその10分後にはミドルシュートから逆転弾を浴びた。どちらも自分たちのクリアミスで相手にボールを渡して許した攻撃だった。
「サッカーは先制してそこから大事な時間というものがあると思うので、その使い方や、やるべきことをやるということが大事でした。みんなでミスをカバーする部分も足りなかった」
逆転されはしたが、後半は丸々残っていた。もちろん同点に追いつくことが残り45分の最初のミッションになったが、「攻撃のアイディアが少なかった」と木本は振り返る。
「(浦和は)縦パスに対して人に強く来ていましたし、急いで縦に入れすぎたかもしれません。もう少し落ち着いてサイドチェンジができれば自分たちの時間ができたかな」
この日の2トップは奥埜博亮と豊川で、どちらも推進力を持って裏に抜け出すプレーを得意としている。「相手が前から来るときは後ろがウイークになるので、チームとしてそこを狙うことは続けなければいけません」と話しているから、2トップの特徴を生かそうという意識が強かったのかもしれない。
今季のC大阪の最大の武器とも言える坂元達裕のドリブルも封じられた。
「あれだけ活躍すれば、相手が消そうとするのは当たり前だと思います。もっとタツを生かせるような状況を作れればチャンスになったと思うので、そこは課題です」
そこは「攻撃のアイディアが少ない」という反省とつながるかもしれない。
この敗戦でついに2位の座をガンバ大阪に明け渡した。次節はそのライバルとの大阪ダービーだ。2位の座をかけて負けるわけにはいかない。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE