上写真=チームを勝利に導く、今季3ゴール目を決めた永井謙佑(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月14日 J1リーグ第22節(観衆3,812人/@味の素)
FC東京 3-1 清水
得点:(F)田川亨介、永井謙佑、アダイウトン
(清)ジュニオール・ドゥトラ
上を見るより東京が勝つことを考える
抜群の動き出しとプレー選択で、見事にゴールを奪った。永井にとっては9月30日の浦和戦以来となる今季3点目だった。
55分、ピッチ中央からボックス左へ斜めに飛び出して、小川諒也のスルーパスを引き出した。
「最初、足元で受けようとしたんですが相手が食いついたので、動き直して、そのタイミングで諒也がパスをくれた。イメージした通りでした」
相手CBヴァウドの背後を取ってボックス内に進入すると、ボールを収めて反時計回りにターン。寄せに来た相手がファーを警戒して体重を移動させたのを瞬時に把握し、空いたニアサイドに豪快に蹴り込んだ。
「ターンした瞬間にファーに打とうとしたけど、ニアが空いていたのが見えたので。キーパーはかぶって見えないだろうなと思って打ちました。イメージ通りでしたね」
前半のFC東京は先制点こそ手にしたものの、相手にボールを握られる時間が長く、ペースがなかなか上がらなかった。指揮官も「スイッチが入らず、出足の悪い45分間だった」と振り返るような戦いぶりだった。そんな中で迎えた後半立ち上がりの時間帯に、永井はチームにとって2点目となるゴールを決めた。5試合ぶりの複数得点でもあった。
しかも、である。永井が決めるとFC東京は負けない、という不敗神話がある。2017年にチームに加入して以来続く、『事実』である。
「(無敗記録を意識したことは?)特にないですね、意識は。継続できるように頑張りたいと思いますけど、たまたま負けているときに僕が(点を)取れていないだけ」
「たまたま」と本人は言うが、不敗神話は決定的なゴールが多い証左でもあるだろう。この日も永井のゴールは決勝点になった。これで17戦負けなしの16連勝である。
「1試合1試合、戦うことが大事だと思っています。上を見るというよりも、他のチームより消化が多いし、(目の前試合を)勝って終えないといけないと思っています。川崎どうこうではなく東京が勝っていけるように、と思っています」
勝ち点を47に伸ばし、単独2位につけるFC東京だが、首位・川崎フロンターレとは15ポイント差ある。消化した試合数が2試合多いこともあり、その差は大きいが、永井は自チームの勝利にのみフォーカスした。
姿勢は、常に一戦必勝。そして勝利を得るためには、永井が決めればいい。