上写真＝終盤は広島の反撃に苦しんだ川崎Fだが、試合終了間際に三笘がダメ押しの2点目（写真◎J.LEAGUE）
■2020年10月14日 J1リーグ第22節（@Eスタ:観衆3,007人）
広島 0-2 川崎F
得点：（広）なし
（川）レアンドロ・ダミアン、三笘薫
・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF茶島雄介（64分;柏好文）、川辺駿、青山敏弘（90＋1分:土肥航大）、東俊希、浅野雄也（73分:松本大弥）、森島司（73分:エゼキエウ）、FWレアンドロ・ペレイラ
・川崎Fメンバー◎GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、山村和也、登里享平、MF守田英正、田中碧、脇坂泰斗（55分:三笘薫）、FW家長昭博、齋藤学（55分:旗手怜央）、レアンドロ・ダミアン（82分:小林悠）（85分:宮代大聖）
試合終了間際に突き放す
この日の広島市は快晴に恵まれ、最高気温は25・6度まで上がったが、日が沈んでからは気温が一気に下がり、公式記録では17・2度。試合が進むにつれて、さらに冷え込んだため、観戦するには肌寒い天候となったものの、選手たちにとっては動きやすい条件での戦いとなった。
9月16日の第16節では川崎Fが5-1で大勝。1カ月後の再戦は「勝ち点3でしか、あのときに味わった屈辱は晴らせないと思っていた」と試合後に城福浩監督が語った広島が、開始1分にFWレアンドロ・ペレイラが強烈な右足シュートを放つなど、積極的に攻め込んだ。だが川崎Fもそれをかいくぐり、12分にFW齋藤学、16分にFWレアンドロ・ダミアン、19分にはMF脇坂泰斗が惜しいシュートを放って盛り返す。
その後もお互いに激しくゴールに迫ったものの、広島の林卓人と川崎Fのチョン・ソンリョン、両GKのファインセーブもあって、なかなかスコアが動かない。結局、両チーム得点のないまま前半を終えた。
後半も立ち上がりは広島が良い形を作ったが、先制したのは川崎Fだった。MF三笘薫とFW旗手怜央が投入されてプレーが再開した直後の56分、左サイドでのパス交換から、左SB登里享平が縦にドリブル突破。広島MF森島司を振り切って折り返すと、FWレアンドロ・ダミアンがヘッドで合わせてネットを揺らした。
広島は失点から間もない59分、右からのセンタリングのこぼれ球がエリア内にいた森島の前にこぼれ、フリーで狙う絶好機があったが、クロスバーに当たって決まらず。75分にはMF松本大弥の右CKを、DF野上結貴がニアで合わせたヘディングシュートがファーサイドまで流れたが、前半から何度も好セーブを見せていたGKチョン・ソンリョンが防いでゴールを割らせない。
川崎Fにとっては、終盤にベガルタ仙台の猛攻を浴びながらも1-0で逃げ切った、前節と同じような展開となったが、この日は最後の最後に突き放す。後半の5分のアディショナルタイムも終わりかけていた90＋5分、MF家長昭博の素早いFKからFW旗手が抜け出し、折り返しをMF三笘が蹴り込んだ。
2-0で勝った川崎Fは、今季2度目となる10連勝。22試合目にして、今季達成したばかりのクラブ記録に並んだ。新記録を懸けて戦う18日の次節の相手は、第12節で連勝を止められた名古屋グランパス。鬼木達監督は「自分たちで自分たちの記録を超えようとスタートしたので、選手はここまで本当によく頑張ってくれた」と称えつつ、「自分自身では、やっとスタートラインに立ったと思っているので、次が大事」と記録更新に強い意欲を見せた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE
