名古屋グランパスのDF丸山祐市が北海道コンサドーレ札幌戦を前にオンラインで取材に応じた。前節、上位のセレッソ大阪を破ってチームは2連勝を飾り、状態は上向きだ。その理由についてディフェンスリーダーが語った。

上写真=セレッソ大阪戦の無失点勝利に大きく貢献した丸山。札幌戦で3連勝を狙う(写真◎J.LEAGUE)

札幌に勝ってさらなる上位へ!

 8月29日の13節北海道コンサドーレ札幌戦に引き分け、続く鹿島アントラーズ戦で敗戦。以降、オセロのように白星と黒星を交互に繰り返してきた名古屋は、20節の浦和レッズ戦に勝ち、前節(22節)のセレッソ大阪戦に勝って、ようやく連勝を果たした。14節以降の7試合はすべて失点していたが、浦和戦で完封勝利を飾り、C大阪戦も無失点で勝ち切った(いずれも1-0)。守備陣の頑張りが勝利を引き寄せたことは数字からも明らかだろう。

「僕自身は良いディフェンスをして良い攻撃ができると思っていて、ここ最近、失点が続いていた中で、監督も言っていましたが、まずは失点しないことが大事だということを全員が共通理解として持てていました。そのことが、無失点にもつながったと思います。
 守備は、後ろの選手だけがするわけではありません。前線からの守備があっていいところでボールを取れる。失点していないときは前からの守備がハマっています。先制点を取って、守備にしっかり重点を置こうというのもあったんですけど、全員が守備に関する認識を改めたことが大きかった」

 この試合の変化について問われた丸山は、意識を統一できたことが大きかったと話した。元来、守備の固さには定評があるチームだが、連戦による疲労やケガ人など、さまざまな要素が複雑に絡みあって、意識にズレが生じていたのかもしれない。今回、ようやく選手一人ひとりのベクトルをそろえることができた。

 次節は札幌戦。前回対戦では敵地でスコアレスドローで引き分けた相手。マンツーマンでつかれて攻撃がうまく回らず、攻めあぐねた苦い思いががある。

「札幌は(2018年夏に)僕が名古屋に来てから、あまり勝てていない相手です(1勝1分け2敗)。苦戦を強いられていることが多いですけど、サッカーのやり方自体は変わっていないと思います。向こうのホームでやったときはマンツーマンぎみでうまくハメられてしまって僕たちの良さが出なかった。
 攻撃に関してはロングボールを多用してしまったところがあって、シンプルにやることはいいんですけど、相手のサッカーに付き合ってしまった部分もある。なるべく怖がらずにボールを受けてつないでいくことで僕たちの良さも出ると思う。前回の試合の反省を生かして攻撃をしていきたいと思います」

 仮に今回もマンマーク気味に対応してくるとすれば、相手を疲弊させるようなボールの動かし方をしたいところだ。どこかでマーカーをはがせば、相手のマークは次々にズレて、混乱することになる。サイドバックが大きく縦に動いたり、ポジションチェンジやスペース利用でカオスな状態を生み出したい。逆に相手がブロックを築いてくるならば、フロントラインが最終ラインをしっかりピン止めして、生じたライン間のスペースに名古屋の2列目が入り込み、後方からのパスを引き出しつつブロック崩しをやり切りたい。シャビエル、阿部らその手のプレーに長けたタレントはそろっている。素早くサイドを変えて、相手のスライドよりも早くマテウスの単騎突破を仕掛ける手も有効だろう。

「勝ち点を取っていくことで上には行けますし、逆に勝ち点を落とすとして下に行ってしまう。2位以下はけっこう団子の状態が続いているので、最低でも勝ち点1を奪いながら、ちょっとでも上にいきたい。最低でもACLを目指せる位置にいると思うので、1試合1試合やっていきたいと思っています」

 安定した守備から良い攻撃につなげて、ホームで戦う札幌戦は勝ち点3を積み上げることを目指す。

「やっているサッカーは悪くないと思いますし、中の選手たちが(ピンチに)『やばいな』と気付くようになって、監督が求めているサッカーというのができていると思っています。ああしておけばよかった、こうしておけばよかったというのは毎試合毎試合あると思いますが、それをなるべく少なくしていきたい。いま連勝して、チームの雰囲気はいいので」

 上位争いを続けていくための重要な一戦。他チームの結果次第だが、札幌に勝てば3位以内も見えてくる。


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