上写真=アシストしたファン・アラーノと喜びを分かち合うエヴェラウド(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月10日 J1リーグ第21節(@カシマ:観衆5,671人)
鹿島 3-2 横浜FC
得点:(鹿)エヴェラウド、オウンゴール、小泉慶
(横)瀬沼優司、松尾佑介
同点、逆転弾もこの男から。「自分の体格を最大限に生かせる」
反撃の口火を切ったのは、やはりこの男の一撃だった。0-2のスコアで迎えた後半13分、ファン・アラーノからの横パスをエヴェラウドがダイレクトでシュート。右足でゴールネットに突き刺し、1点差とした。
「(2点を)追う展開になりましたが、1点目(のゴール)が、同点、逆転のきっかけになったと思います。チーム全体で取った1点」
連敗を喫した2試合では不発だったが、第17節C大阪戦以来、4試合ぶりのゴールが生まれた。エヴェラウド自身、今季12点目だ。
エヴェラウドがゴールを決めれば、鹿島はいまだ負けていない。この時点ではまだ1点のビハインドだったが、不敗神話は生きていた。その後、チームは2点を奪い、逆転勝利を収めた。
「逆転勝利できたことに、まず喜びを感じています。2点目はオウンゴール、3点目は僕と上田(綺世)選手という、パワーがあって競りに行ける2人がボールに絡めたので、荒木(遼太郎)選手の足もとにボールが落ちて折り返し、小泉(慶)選手が詰めていました。みんなの特長を生かせた得点」(エヴェラウド)
逆転ゴールとなった3点目は、永木亮太のCKをエヴェラウドと上田の2人で競ったことが、結果的に功を奏した。「CKのときに僕たちから永木選手にファー(サイド)に上げてくれと要望を出した。アウトスイングのボールに対して強い選手が飛び込めば、(相手)DFにとってはクリアしづらくなると思った」とエヴェラウド。また、その前の同点ゴールとなるオウンゴールを誘発したのもエヴェラウドだった。その場面でも永木のCKをエヴェラウドが頭で折り返している。
「エヴェ(エヴェラウド)がいるのでシンプルにクロスを上げたほうが、そこでごちゃごちゃってなって(ボールが)こぼれて点につながる可能性がある。強い選手が中にいるので、シンプルにクロスを上げられるタイミングは逃さないように心掛けていました」。そう話すのは、右サイドバックの小泉慶だ。
鹿島の選手たちは前半からエヴェラウドにボールを集めた。ゴールこそ決まらなかったが、エヴェラウドは高い打点からのヘディングシュートも何度か放った。この試合でエヴェラウドは両チーム最多となる7本のシュートを記録している。
「個人的にセットプレーは好き。そんなに難しいことではありません。ボールにアタックすることが大切になるので、自分の体格を最大限に生かせます。前半もヘディングでの競り合いに勝っていました」
9番を背負う、頼れるストライカー。あらためて、エヴェラウドがゴールを決めれば、鹿島は負けない。得点ランク2位につける点取り屋がさらにゴールを量産することで、チームも再び勝利を重ねていくことだろう。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE